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今回は韓国市場での販売網について考察したいと思います。
製造メーカーが自社製品を海外市場で販売する場合、販売網をどう選択するかは重要な意思決定となります。
なぜなら、選択肢によって、その対象市場に対する会社の投資規模が変わってくるからです。
海外市場への投資は、カントリーリスク、市場規模、市場の潜在性、成長性、競合、顧客ニーズなどを考慮して、最適な販売網を選択することが地域戦略の鍵を握ります。
ここでは、いくつか、選択肢を上げ、それぞれについて説明します。
まず、現地総代理店を設定して販売する場合です。
この場合、韓国には現地法人、駐在員事務所など物理的な投資は必要ありません。
日本の本社(もしくは他国に工場などがある生産地)から輸出ができれば、総代理店が韓国での輸入、販売・サービスなどのすべてを請け負ってくれます。
この方法が日系企業にとっては、一番投資が少なくて済みます。
一方で、投資が少なくて済む反面、デメリットもあります。
韓国に於いては総代理店にブランドと販売戦略を一任することなるので、代理店による不祥事はそのままブランド棄損に直結しますし、市場が大きく成長しているのに販売が伸びないという状況を容易に作り出してしまいます。
私が17年前に最初に韓国へ赴任したのは、当時の総代理店にお任せするのを止めて、自ら販売網を構築するのが目的でした。
次に、駐在員事務所を設置する場合です。
国の規制によっても違いますが、駐在員事務所は通常営業行為は禁止されており、いわゆるマーケティングなどの情報収集行為がメインの業務になります。
韓国でも、駐在員事務所による営業行為は禁止になっており、市場の情報収集と総代理店の補助的業務がメインになります。
よって、総代理店で挙げたデメリットは払拭できません。
但し、駐在員を赴任させますので、情報を入手できる量、幅は大きくなり、市場でなにが起っているのかは把握できるようになります。
駐在員事務所は比較的容易に設立できるので、現地法人を設立する前に駐在員事務所を設立して準備に当たることではメリットが期待できます。
しかし、総代理店の権利を脅かすことになりますので、関係が悪くなることは必至ですね。
次に、合弁で現地法人を設立する場合です。
日系企業の多くがこの選択をする場合が多いです。
なぜなら、独立資本(独資)での現地法人に比べたら立上げと経営が圧倒的に容易だからです。
顧客と販路を一から開拓しないで良いですし、人事、労務、福利厚生など複雑で面倒くさいことをすべて合弁先のインフラが利用でき、問題が起っても合弁先主導で解決できるからです。
これまで私のブログで書いたトラブルも、私の所属する会社が独立資本(独資)だからこそ、起こる苦労が多いです。
これが免れるのであれば、合弁での現地法人設立は有効な選択肢になるでしょう。
但し、デメリットも多いです。
持分比率や役員構成人数にもよりますが、韓国側に経営の主導権を取られてしまう場合が多いです。
それは、先ほど述べた面倒くさいことが解決できる代わりの代償と思っていいでしょう。
持分比率が半分を超えている場合でも、数年後にトラブルに巻き込まれるケースをよく聞きます。
よく耳にするのが、合弁時代に共有した日系企業側のノウハウや製品特性だけを真似されて、合弁を解消されてしまうケース。
また自ら合弁を解消しようにも、リスクが伴います。
合弁先を選ぶ際はその業界でのシナジーを狙って強い相手と組む場合が多いです。
合弁解消後は元合弁先が強い競合という敵となり、その様な環境で一から販売基盤を作り上げることは容易ではないことが想像されます。
これでは、多くを投資した意味が薄れてしまいますね。
最後に、独立資本で現地法人を設立する場合です。
この選択肢が日本本社としては一番投資が必要です。
が、逆に経営、販売におけるメリットも多くあります。
私が所属する会社は2000年に日本本社の独資で現地法人を立上げ、私が所属する事業も2004年に総代理店との契約を終了して直接現地法人による販売を開始しました。
現地法人だからこそ発生する諸問題はあるものの、市場と顧客の声を直接聞くことができ、迅速に対応できる点では非常にメリットは大きいです。
その分現地に派遣される駐在員の苦労は多いですね。
販売網の考え方について、引き続き書いていこうと思います。


