BSプレミアム クラシック倶楽部 2014年10月22日


  ザ・ジョン・ケージ


 4分33秒             ジョン・ケージ作曲
                  スタジオ環境音
 
 ある風景の中で          ジョン・ケージ作曲
                  ハープ:吉野直子
 
 危険な夜             ジョン・ケージ作曲

             プリペアド・ピアノ:一柳慧
               ダンス: 白井剛

 居間の音楽            ジョン・ケージ作曲
  打楽器&ボイス・パフォーマンス:アンサンブル・ノマド
 
 バリエーションズ6        ジョン・ケージ作曲
      チャンスオペレーション:武蔵野美術大学学生

 One9              ジョン・ケージ作曲
               笙: 宮田 まゆみ

 0分00秒             ジョン・ケージ作曲
                  スタジオ環境音

  [収録:2012年2月10日/NHK101スタジオ]

  ジョン・ケージ
写真5 ケージ 顔写真
 ジョン・ミルトン・ケージ・ジュニア(1912年ー1992年)はアメリカ合衆国出身の音楽家、作曲家、詩人、思想家、キノコ研究家。実験音楽家として、前衛芸術全体に影響を与えている。独特の音楽論や表現により、音楽の定義をひろげている。「沈黙」をも含めた様々な素材を作品や演奏に用いており、代表的な作品に「4分33秒」がある。
 生まれたのは、カリフォルニア州のロサンゼルスであるが、父のジョン・ミルトン・ケージ・シニアは発明家で、母方の叔母と叔父には音楽家がいる。父は1612年に潜水艦を建造して当時の世界記録を更新した。ケージは家族の転居により多くの学校に通い、サンタモニカでピアノを習い始める。ロサンゼルスのハイスクールを優秀な成績で卒業し、クレアモントのポモナ・カレッジに入学するが、学業に興味を失い渡欧の計画を立てる。
 1930年にパリで建築家エルノ・ゴールドフィンガーに建築を学んだ後、マジョルカで初めて作曲を行うが、当時の作品は現存していない。1931年にアメリカに戻り、ピアニストのリチャード・ピューリックに音楽を学ぶ。後にヘンリー・カウエルの紹介でアルノルト・シェーンベルクに師事し、1934年から1937年にかけて南カリフォルニア大学のシェーンベルクのクラスで学んだ。1933年から、現存する最初の作品を創る。1937年の文章「音楽の未来 クレイド」では、電気楽器の可能性、ノイズの重視、実験的音楽センターなどのアイディアを延べている。
 初期の作品はシェーンベルクの音楽を継承するかのような、音列処理やリズム処理のある作品が多数を占める。1940年に、グランドピアノの弦に異物(ゴム・木片・ボルトなど)を挟んで音色を打楽器的なものに変化させたプリペアド・ピアノを考案し、「パッカナル」で初めてこの楽器を用いる。このころからアイディアが最優先する発明作品が増え、居間にある全ての物体を叩いて音楽を作る「居間の音楽」などがある。
 ケージの作品で最も有名なもののひとつである「4分33秒」は、曲の演奏時間である4分33秒の間、演奏者が全く楽器を弾かず最後まで沈黙を通すものであるが、これはコンサート会場が一種の権力となっている現状に対しての異議申し立てであると同時に、観客自身が発する音、ホールの内外から聴こえる音などに聴衆の意識を向けさせる意図があったが、単なるふざけた振る舞いと見なす者、逆に画期的な音楽と評する者のあいだに論争を巻き起こす事になった。この時期には、芸術音楽のフルクサスとも関わりをもっている。