2009.10.29 Thursday
N響アワー 29歳の輝き・モーツアルトのピアノ協奏曲
 N響アワー:2009年10月25日放送 教育テレビ 地上デジタル

  29歳の響き・モーツアルトのピアノ協奏曲

 35年の短い人生の中で、20代後半のモーツアルトは充実した活動を行っていた。その中心はピアノ演奏とピアノ曲の作曲。当時ウィーン随一の凄腕ピアニストだったクレメンティとの腕比べに勝ち、多くのピアノ協奏曲を作曲したのもこのころのことです。
 今回取り上げているのはピアノ協奏曲第21番でモーツアルト29歳の作品です。明るく静謐な曲調の中に、愁いを帯びたメロディーが心を打つ名曲である。
 今回の独奏をつとめるのは、モーツアルトがこの曲を作曲した年齢と同じ、現在29歳のジョナサン・ビスです。1980年アメリカの音楽一家に生まれ育ち、クルト・マズア、ダニエル・バレンボイム、シャルル・デュトア等名だたる巨匠と共演するなど、国際的なキャリアを着実に積み重ねている注目の若手演奏家です。モーツアルトとジョナサン・ビスの同じ29歳の輝きはどのようなものでしょう。

        ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467  (モーツアルト作曲)
               ピアノ:ジョナサン・ビス
              指揮:ジェームズ・ジャッド
            [収録:2009年7月17日,NHKホール]
                              ほか

               管弦楽:NHK交響楽団

                  ー司会ー
               西村朗    (作曲家)
               岩槻里子(アナウンサー)

  ジョナサン・ビス
 彼はアメリカの音楽家の家系に生まれているが、祖母ラーヤ・ガルブーソヴァは、サミュエル・バーバーが彼女のためにチェロ協奏曲を作曲したほど有名な女性チェリスト、両親はバイオリン奏者のミリアム・フリードとビオラ奏者でもありバイオリン奏者でもあるポール・ビスである。
 音楽に囲まれて育った彼は6歳でピアノを習い始め、その後インディアナ大学でイーブリン・ブランカートに、フィラデルフィアのカーティス音楽大学でレオン・フライシャーに師事。
 モーツアルト、ベートーベンから、ロマン派を経てヤナーチェクやシェーンベルク、それに現代音楽に至るまでの広範囲で多様なレパートリーを持つ。アメリカやヨーロッパでの演奏活動を通してそのプログラム構成、芸術的な完成度、多様な才能で国際的な評価が高い。

  ジェームズ・ジャッド
 ジェームズ・ジャッドは1949年、イングランドのハートフォードシャー州生まれのイギリスの指揮者である。
 1971年にトリニティ音楽院を卒業後、クリーブランド管弦楽団アシスタント指揮者に就任しロリン・マゼールに師事。ECユース管弦楽団音楽副監督に就任しクラウディオ・アバドに師事。マゼール、アバドの下で助手を務め、ベルリン・フィル、イスラエル・フィル、ウィーン響、ライプツィヒ・ゲバントハウス管、プラハ響、フランス国立管、スイス・ロマンド管、N響、ソウル・フィルほかとの共演も多数あり。
 1987年から2001年までフロリダ・フィル音楽監督、フロリダ・グランド・オペラの芸術監督を歴任。2000年~2007年までニュージーランド響の音楽監督に就任。ヨーロッパ室内管弦楽団の創立者の1人でもある。2005年にはBBCプロムスに指揮者として登場。現在はニュージーランド交響楽団名誉音楽監督、リール国立管弦楽団首席客演指揮者、EUユース管弦楽団名誉芸術監督、アジアユースオーケストラ首席指揮者を務める。