2009.08.02 Sunday
名曲探偵アマデウス ワーグナー「ジークフリート牧歌」
NHK クラシックミステリー名曲探偵アマデウス

  事件ファイル#35 
  誘拐犯からのメッセージ  ~ワーグナー「ジークフリート牧歌」
 依頼人 大保志摩須 (矢島健一)
 職 業 刑事
 依頼内容
 この曲は誘拐犯からのメッセージなのです。
 ところが何度聴いてもさっぱりわからない。
 このままではわたしの妻と息子が!
 探偵さん、一刻も早く調べて下さい!
  名探偵が挑む名曲

  ワーグナー作曲「ジークフリート牧歌」とは
 オペラの世界に多大な功績と革命をもたらした19世紀の作曲家、ワーグナー。
 「ジオークフリート牧歌」は、そんなワーグナーが小編成のオーケストラのために書いた曲。
 実はこの曲には、ワーグナーの代表作ともいえるオペラ「ニーベルングの指輪」と同じ旋律が用いられている。
 壮絶な人生をおくったワーグナーは、この曲にどのような思いを込めたのか。
 依頼人は、無事に家族を取り戻すことができるのか。
 名探偵が「ジークフリート牧歌」に秘められたメッセージを解明する!

  管弦楽:水戸室内管弦楽団
  指揮:準・メルクル

 「ジークフリート牧歌」は、リヒヤルト・ワーグナーの器楽曲の一つ。室内オーケストラのための作品で、一種の交響詩ともいえるが、別に決まった筋書きや情景を考えて書いたものではない。
 それは1870年12月25日のことである。ワーグナーの妻であるコジマ・ワーグナーの誕生日およびクリスマスの贈り物とし準備されたものである。
 同日ルツェルン州トリープシェンの自宅で非公開初演が行われたのである。ワーグナーは密かにこの企てを考えていて、事前にその存在を知らされていなかった妻のコジマを、いたく感激させたということである。本作品はまた、前年に息子ジークフリートを産んでくれたコジマに、ねぎらいと感謝を示すための音楽でもあったわけである。
 ワーグナー夫妻の私的な団欒の音楽だったため、コジマは出版を渋ったが、1878年に出版されるとたちまち人気を呼ぶことになった。当然ワーグナー家の家計を助ける事にもなる。
 ワーグナーの楽劇「ジークフリート」は、1876年まで初演されていなかったが、それと共通する素材が「ジークフリート牧歌」のなかに含まれている。以前は、オペラに使うつもりであった素材が、本作品にも利用されただけといわれているが、現在では、そうではなく、ワーグナーは、未完成の室内楽曲から旋律素材を「牧歌」に用い、その後更に、ジークフリートとブリュンヒルデの愛の場面にも転用したということである。

 果たして依頼人は「ジークフリート牧歌」に秘められたメッセージの意味がわかったであろうか?