2009.07.22 Wednesday
アリス・紗良・オット ピアノ・リサイタル
ハイビジョン クラシック倶楽部 2009年7月21日 Bモード・ステレオ

  アリス・紗良・オット ピアノ・リサイタル

 1.ピアノ・ソナタ第21番ハ長調作品53       (ベートーベン作曲)
      「ワルトシュタイン」
 2.ピアノ・ソナタ第23番へ短調作品57       (ベートーベン作曲)
      「熱情」
 3.パガニーニによる大練習曲から             (リスト作曲)
      鐘

        ピアノ:アリス・紗良・オット

  [収録:2006年11月22日,三鷹市芸術文化センター風のホール]

  アリス・紗良・オットのピアノ演奏の収録放送は今回ですでに4回目になります。
 2008年9月11日放送、翌日9月12日当サイトブログ、
 2008年10月29日放送、翌翌日10月31日当サイトブログ、
 2009年3月29日放送、翌3月30日当サイトブログ、それぞれにて演奏者の紹介と評を記述。

 今回はベートーベンのピアノソナタ第21番の作品に少し触れてみます。
 この曲はベートーベンの中期のピアノソナタで、「熱情」と並び、最も重要なもののひとつ。
 ワルトシュタインという名は、ベートーベンがこの曲ををフェルディナント・フォン・ワルトシュタイン伯爵に献呈したことに由来。ワルトシュタインは当時ベートーベンの理解者であると同時に今で言うスポンサーのひとりであったわけである。勿論この曲だけではなく、献呈された曲は数多いのであるが、この曲のみが特にワルトシュタインと呼ばれる理由はなにかといえば、この曲の持っている独創性であり、それに話題性がプラスされたものといわれている。
 このピアノ曲の大きな特徴のひとつにぺダルの使い方について、ベートーベンは克明に指定をしていることである。とくに目につくのは第3楽章である。和音が変化した後もぺダルが踏みっぱなしであるため、それを現代のよく響くピアノで演奏した場合、どうしても音が混濁してしまい、こんな音でいいのかと疑問に感ずる聴き手も多いと思います。
 これはベートーベンが使用していた頃のピアノではそれでよかったかもしれませんが、どうも現代のピアノではその点ではなかなか難しい事だと思います。
 このような難しい問題を含んだピアノ曲であるが、アリス・紗良・オットは彼女なりの解釈でこの難曲の演奏をまとめあげているところはほんとに感心いたします。
 このワルトシュタインを演奏するピアニストはいろいろの人がおりますが、そのピアニストがどんなぺダルの使い方をするかを何時も注目して聴く事にしております。