2009.04.27 Monday
N響アワー シュトラウスの交響宇宙
N響アワー:2009年4月26日放送 教育テレビ 地上デジタル
N響アワー シュトラウスの交響宇宙
リヒャルト・シュトラウスは19世紀末から20世紀前半にかけて、多くの交響詩やオペラを作曲した。彼はリストの交響詩、ワーグナーの楽劇を発展させて、独自の交響宇宙を作りだしました。自分自身の人生を描いた「英雄の生涯」、みずからの家族を描いた「家族交響曲」、あるいは峻烈な自然を描いた「アルプス交響曲」など、従来の標題音楽には無かったテーマを優れた作曲技法で描き出しています。中でも「ツァラトゥストラはこう語った」は同時代の哲学者ニーチェの大著を音楽化した大胆な作品で、32歳のシュトラウスの野望を伺うことができます。
本人のことばや同時代の状況を紹介しながら、シュトラウスが描き出した故郷宇宙を探ります。
交響詩「ツァラストラはこう語った」 (リヒャルト・シュトラウス作曲)
指揮:デーヴィッド・ジンマン
[収録:2009年1月16日,NHKホール/第1638回定期]
組曲「ばらの騎士」から (リヒャルト・シュトラウス作曲)
指揮:凖・メルクル
[収録:2003年10月29日,サントリーホール/第1498回定期]
管弦楽:NHK交響楽団
ー司会ー
西村朗 (作曲家)
岩槻里子(アナウンサー)
フリードリヒ・ニーチェの同名の著作にインスピレーションを得て作曲されたが、原作の思想を具体的に音楽に表現したわけではなく、原作のなかのいくつかの部分を選んだものから受けた印象やその時々の気分を表したものである。
記録によると、1896年11月27日、フランクフルトで、作曲者自身の指揮の第4回ムゼウム協会コンサートにて初演されている。
しかし、よくあることだがこの曲の初演時の評判は賛否両論があり、さまざまであったようである。例えれば、評論家のハンスリックや作曲家のフーゴー・ヴォルフはそれを非難し、作家のロマン・ロランや指揮者アルトゥール・二キシュは好意的であったといわれている。
この曲の日本初演は1934年10月30日、奏楽堂にてクラウス・ブリングスハイム指揮、東京音楽学校の管弦楽団によって行われた。この時同時に「アルプス交響曲」も日本初演されている。
今回の演奏収録はNHKホールであるが、この曲にはパイプオルガンが使用されるので、演奏会場には当然制約がある。編成にしてもオルガンを含む4管編成であり、部員も100名以上も必要とする曲である。
今回の演奏では指揮者のデーヴィッド・ジンマンは第1638回定期公演から2度目の鑑賞になりますが、暗譜での演奏で彼のレパートリーのなかでもお得意のものようで、指揮ぶりもなかなかの味わいのあるものでした。
後半の組曲「ばらの騎士」は5年半近く以前の収録でしたが、この指揮の凖・メルクルの演奏も随分熱のこもった演奏で素晴らしいものでした。彼の顔の表情がとても豊かで印象に残っております。