朝起きて、少し2人でじゃれあって
シャワーを浴びて
会話をして・・・
いつもと変わりない朝
でも、今日これから向かうのは空港
今日は、日本に帰る日。
少し早めに空港に行って、そこで一緒に昼食をとりポルトフィーノで買ったハガキを2人で一緒に書く
1枚目は私の母に
2枚目は私の親友に
そして3枚目は私に
私宛のハガキは、あえて読まなかった。
帰国してからのお楽しみにしておきたかったから
私たちは、今回1枚も写真をとらなかった
なんか、写真をとる時間が惜しくって・・・
その分、2人で見たものをわすれないように一生懸命、両目に焼き付けるようにしていた。
「僕も、君と過ごした日々のことは全て胸にとってあるよ」
同じことをしていたんだね
でも、せっかくなので、最後に1枚だけ、一緒に写真を撮った
彼 「とっても素敵な4日間を、どうもありがとう。君との日々は絶対に忘れないよ
」
「I LOVE YOU」
「I MISS YOU」
と、何度も何度も言いながら、何度も何度もキスをした。
来る前は、4日間って長いような気がしてたのに・・・こんなにあっという間だったなんて。
「さようなら」は絶対に言わないようにしようね。
だって、私たちはまた会えるんだから
一時的に、離れるだけ。
だから「さようなら」はふさわしい言葉じゃない。
言うとしたら「またね」って言おう。
出国審査のカウンターへ繋がる、下りのエスカレーター。
そこから先へは、私1人で行かなくちゃいけない
エスカレーターの前で、もう一度強くハグをしてキスをした。
「私のこと、忘れないでね」
忘れるわけないでしょ!と言って彼は軽く笑った。
「いい?絶対泣いちゃいけないよ。僕は自分が泣くのも、人が泣くのを見るのも大嫌いなんだ。だから、絶対泣かないで・・・」
そう、何度も彼に言われたから、私は最後まで泣かなかった。
だって、最後の表情が泣き顔だったなんて、嫌だし
最後まで、笑顔の私を見ていてほしい。
彼のキス、彼のハグ、彼の体温、彼の匂い、彼の声、彼の笑顔・・・・・
全部、しばらくお預け。
だから全身で、彼をいっぱい感じてから、エスカレーターに飛び乗った。
エスカレーターでの、わずかな時間で、ぐるぐると色んなことを考えた。
振り返ろうか・・・
振り返らずにいるか・・・
きっと、今の私はすごい顔をしてるんだろう・・・
「泣かない」なんて言ったけど
本当は痩せ我慢してるんだもん。
こんな顔、見せたくない。
でも、
もう1度、彼の顔が見たい・・・
どうしよう。
もうすぐ、下に着く。
でも・・・やっぱり
エスカレーターを降りてすぐ、歩きながらくるっと後ろを振り返った。
精一杯、笑顔を作って手を振った。
でも、すぐ、振り返ったことを後悔した。
だって
彼はいっつも笑ってたのに・・・
その時の彼の表情は、今まで見たことがないような悲しい顔をしてたから。
すぐに前を向きなおし、小走りにカウンターへ向かった。
約束・・・破っちゃいそうだった。
あなたのあんな顔みたら、ずっと我慢して頑張ってたのに
涙がこぼれちゃいそうだった。