大学卒業に向けて
これが本当に最後のハードル・卒業試験
11月に提出した卒業論文について
指導教授(主査)ともうひとりの先生(副査)の
お二人から30分の口頭試問を受けるというもの
この卒業試験に受かってようやく卒業なので
気は抜けない
卒業試験ってどんなことするのか知らなかったので
ネットで調べたところによるとおおむね
・卒論の内容に関する質問
・自分の専攻の一般的知識に関する質問
が聞かれるそうです
なに聞かれるんだろ~
範囲が広すぎて想像つかないヨ。。
当日は指定の時間に
指定の場所(教授の研究室)に向かいました
ちょうど前の学生が部屋から出てきたところで
先生と目が合いそのまま入れ違いで入室
副査の先生が誰かは事前に知らされないのですが
3年程前にスクーリングを受けたことのある
著作も読んだことのある先生でしたので
そんな人に副査を務めていただけることが
とても光栄に思いました
まず主査の先生
「副査の先生は上野さんの論文を読んでいないので
5分10分くらいで簡単に内容を説明してください」
とのこと
要約することを意識し過ぎて
2,3分で説明が終わってしまった・・大丈夫だろうか(汗)
私の説明を聞きながらも副査の先生は
論文に目を通していました
説明が終わると早速副査の先生から
論文内容に関する質問が始まりました
「上野さんの「自己肯定が幸福をもたらす」は
わかるんだけどそれとスピノザ哲学がどう関連するのか?
僕はスピノザあまり知らないんだけど」
(知らないわけないじゃん!
先生が書いたスピノザの記述おおいに参考にしましたよ!)
と心で突っ込みそうになりましたが
もちろん知らないわけなくそこには意図があるはずなので
気を取り直し(笑)
「はい、スピノザ哲学では全ての事物は神の様態なので
何かを否定するということは
神の完全性を否定することになってしまいます
だからどんな自分(事物)でもまず肯定することは
スピノザ哲学においては大前提というか
それがあるからその後の幸福に関する理論も
成立するのではないかと思います」
みたいなことを答えた気がする
※緊張しててあまり覚えていない
「では○ページに「幸福は自己の有を維持しうることに
存する」とありますが
何故自己の有を維持しうることが幸福なんでしょうね?」
「はい、それは・・」
みたいな問答が4つ5つくらい続いたかなぁ
質問をあらかじめ用意してきたわけではないし
私の話を受けて次の質問が出てきたと
感じるものもあったのでおそらく
先生が個人的に興味を持った箇所や
論述が曖昧だと判断された箇所
などを質問されたような気がします
内容をほぼ読んでないのに鋭い、流石過ぎます
その間主査の先生は
横でニコニコしながら黙って聞いていました
副査の先生の質問が大体終わったところで
今度は主査の先生から
「上野さんは多分(これこれこういうこと)が
言いたかったんだろうけど
今回の論文ではあまり出てこないスピノザの
善悪や非目的論な点に関してはどう思いますか?」
など2つほど質問を受けました
それでタイムアップ
副査の先生との質疑応答中
主査の先生が私の成績表らしき紙を見ていたので
「専攻の一般的知識に関する質問」もあるかと思いきや
ありませんでした
通常は専攻の一般的な質問もあるみたいなのですが
ないってこともあるのね
最後に主査の先生に
「上野さんの論文こちらで預かっても良いですか?」
と聞かれました
私は提出した論文は戻ってこないものと思ってて
自分用のも製本していたので
どうぞどうぞと受け取っていただきました
先生の手元に残してくれるなんて大変光栄です
※後で知ったことですが
先生が預かるのって良い論文の時だそうです
そうなんだ!?だとしたら嬉しいよ~
お二人ともとても優しく温かく話してくれたので
試験は全体的に穏やかな時間だと感じました
それでも緊張したけどよ~
主査の先生は
(前にも言ってくださったのですが)最後にもう一度
「上野さんはスピノザと仲良くなれたみたいで
とても良かったです」
と言ってくださって
「はい!それとても嬉しかったです!」
と元気よく返事してしまいました
「はぁ~緊張した~」
思わず独り言が口から洩れ
「ええ?そうなの?」
「はい、受動感情が発動しました」
ついスピノザ用語で説明してしまいましたが
先生笑ってくれました
いまになって
「あの質問にはもっとこう答えればよかった」
などと振り返ってしまいますが・・もういいワ
卒業試験で不合格になることは滅多にないということだし
3月に通知がくるまでは落ち着かないけど
とにかく待つしかない
大学院の勉強しよう
先生と直接お話しできたのは3年弱で計6回
時間にしてトータル約3時間!
短ーい
短いけどその少ない時間に要点を
ギュッと詰め込んでくださる明晰さが素晴らしい
方言が出てしまうのが素朴
これからもご縁があると良いなぁ
とにかくまずは
「ありがとうございました」です
大学生活ももう少しになるのかな
全然実感ないけどまだ