倍音の月13日・KIN78白い宇宙の鏡

GA B94(Vehuel) / HA B47(Reiyel)


わたしはエヴァンゲリオンが好きです。


アニメの最後の2話。


主人公シンジの内面世界の吐露が延々と繰り広げられるという

とても抽象的な内容でストーリー展開はまったくありません。


「人類補完計画とは?」

「ゲンドウの企みは何?」

「シンジたちの運命や如何に!?」


・・・等、それまでに散りばめられた様々な謎は

なにひとつ解明されないまま物語は終わりました。


物議をかもし出したエンディングです。



作者の意図はわかりません。


でもああいうエンディングにする気持ち、わかるなぁ。

もし私が作者でもそうしたかもしれないもん。



私は漫画家になりたくていつも描いていたのですが

エンディングがいつも決められなかったんですよ。


なので描きかけの作品ばかり溜まってました(苦笑)。



ストーリーの出だしから途中まではぐんぐん思いつくんだけど最後がわからない。


どこを最後にしていいのかわからないのです。



ラブストーリーでふたりがくっついて終わりとかよくあるけど

「えー!?」と思っちゃう。


これからまだまだ先は長いのに。

このふたりがこの先一生幸せとは限らないのに。


この終わり方だとまるでふたりが一生幸せを保証されてるみたいじゃないか。

そんなのウソだ。


・・・と、思っちゃって。



私が大好きなエンディングの漫画は「日出処の天子」ですかね。


主人公の厩戸王子(=聖徳太子)が

摂政になったところで物語は終わるのですが。


人を愛せない厩戸の心の傷は癒えないまま(自殺したりもせずに)

外の世界における栄光と、内的な絶望と孤独の未来を予感させる終わり方。

でももしかして救いがあるかもしれない・・・とも思わせる・・・。


ああいうのはリアリティがあってナットク!なのです。


エンディングのその先をちゃんと(描いてないけど)描いてるから。



そうなるとエヴァは!?


世間的には、無責任なラストの先鋒のように思われてるみたいだけど

わたしの意見はどちらかというと逆。


あれは非常に練られたラストだと思ふ。


例えばシンジが死ぬというラストじゃオチにならなさそうだし。

使途を倒すというラストも意味なさそう。


死んで終わりじゃない。

苦悩に終わりはない。

世界に終わりはない。


そういうことが言いたいのではないだろうか、あの物語は。



だとすればあのエンディングが一番なのかも・・・と思うのネ。