彼に殺害されたあとの私は、堪えきれない悔しさと怒りをどこにぶつければいいのか分かりませんでした。


殺害された翌日、彼は、死んだ私に会いに来てくれました。


そして、自主的に動かせなくなった私の体を弄び始めました。


陰部の中に指を入れて掻き回したり、ドライバーを挿入したりされました。



その様子をビデオカメラに収められました。


私の頭を撫でたり添い寝をしたりされました。



その様子を見た私は恐怖か怒りかも分からない半狂乱状態になりました。


あの時の気持ち、まだ幼くて分からなかった本心。


「憎い」「触らないで」と反発する気持ちとは相対的に、「怖い」という気持ちが強くありました。



大人の異性が怖くなった原因でした。



潜在意識に刻印されたそのトラウマは、現世でも私を苦しめました。


私は現世でも人見知りです。


でも、大人の男性に話しかけることはなにやりもできなかった。



友達の後ろに隠れたり、相槌を打つだけで会話を終わらせていました。



兄が一緒にいてくれた時はまだ話すことは出来ます。


でもそれ以外がダメだったんです。



彼はその後も何度も死んだ私に会いに来ました。


朽ちていく私の肉体を観察して、ついでにわいせつ行為に及ぶ。



私はそれが怖くてたまりませんでした。


家族の元へ帰してもらうことも出来ず、ただ彼が私に会いに来て欲望を遂げられるだけ。



たった3時間程度しか一緒にいなかっただけなのに、彼にとっては私は安心出来る人形のような存在になっていました。



ただ私を殺した彼が憎い、同時に怖いという認識を持っていた。



でも、生まれ変わって、私も彼と同等の不幸と孤独を体感してわかった。



たとえ彼が私を殺したとしても、世間に避難されるような事件を起こした人だとしても、私のすべでを愛してくれたのは今も昔も彼しかいませんでした。



しかし、そんなことにも気づけなかった前世の私は、他の同世代の少女も道連れにした。


彼女たちにも大切な家族と大切な場所があったのに。



ただ怒りに任せて、孤独を埋めるために彼に殺められて私と同じ目に遭えばいい。


そう思っていました。



だって、もし私しか殺められてないとしたら、私の孤独は?苦しさは?

だれがわかってくれるの。



だから私と同じ目に遭ってしまえと思いました。



彼は2ヶ月ごとに少女を1人殺す、あるいは非社会的な行動を起こしました。


私は、彼になにかされる度に誰かを道連れにした。



彼は、私が骨になったあとも会いに来ました。


私の骨を焼いて齧ったり舐めたりしています。



それがとても気持ち悪くて、やはり彼に性的な目で見られていると認識してしまい、怖くなると他の少女にも死んで同じ目に遭ってほしいと願った。



私に矛先を向けないで、私を解放して、と死んだ私は訴えていた。



結果的に、私以外の少女らは私以上に残虐な方法で殺されました。


しかし、やはり1番性欲を強くぶつけられたのは私で、逮捕後になっても彼にずっと執着されているのも怖くて仕方がなかった。



また、最後に犠牲になった少女は、現世で私を呪っているのです。