ネットニュースが伝える君の武勇伝

先祖代々孤独な街のシューティングスター

たまたまわたしがそこにいただけ

ただそれだけ

たまたまあの日に目が合っただけ

ただそれだけだったんだ


デッドラインが横たわる交差点で

前途多難なフリした偽りのヒロイン

ジェットコースター怖がる君がそんなまさかね

面倒くさいことリボンかけてプレゼント(for you)



これは相対性理論というバンドの「たまたまニュータウン」という歌です。



これを聞くと何だか私のことを言っているみたいな気持ちになる。



Aさんは、行方不明になった後、様々な人から「あの子は人見知りの激しい子だから誰かについて行くのは有り得ない」と言われています。


しかし、目撃証言ではAさんが男性の後をついて行っていたと。


Aさんは確実に犯人について行き、殺害された。



また、Aさんが住んでいたのは埼玉県入間市です。


隣には狭山市があります。



入間市の大事件と言えば、このAさんや他3人を含めた幼女連続誘拐殺害事件と言っても過言ではありません。


また、隣の狭山市の事件と言えば狭山事件。



先祖代々孤独な街…



平和で穏やかな街でもこんな大事件が起こってしまうのです。



たまたまわたしがそこにいただけ、人見知りで怖がりのAさんは、美しい景色が見たくて初めて一人で歩道橋を昇った。



景色に見惚れている所に、犯人が声をかけた。


怖がりなAさんは、景色に恍惚感を与えられてぼーっとして、正常な判断ができない。



普段だったら、家族や友達には心を開かないAさんは、その絶妙なタイミングによって声をかけられてしまい、拒絶できなかった。



景色に見惚れてトランス状態に入り、トリップしていて、警戒心と不安が抹消されていた。


そんな時に初対面の犯人に声をかけられて、その人に対して猜疑心が全くない状態のAさんはついて行ってしまった。



デッドラインが横たわる交差点。


Aさんは歩道橋で声をかけられた。


そこにいなければ、Aさんは死んでいなかったはず。



犯人は、Aさんが歩道橋から景色を眺めているのを見て誘拐したと言います。


Aさんが、一人で景色を眺めていて、その子が自分を持っているところに惹かれたと。



Aさんは犯人に魅入られてしまった。



交差点のある歩道橋は、Aさんの死線(デッドライン)だった。



前途多難な偽りのヒロインとは、転生して生きている私。



あの時、犯人について行っていなければ殺されていなかったし、家族にも悲しい思いをさせなかった。


家族は、私が誘拐されて行方不明になってから、迷惑電話や無言電話に困らされていました。


また、父親は私を探しに様々な場所を歩き回り、母親は私を心配するあまりやせ細り窶れてしまった。



犯人は、私の遺体を陵辱し、最終的に私の遺体を野焼きにして両親の元へ届けた。


両親は相当なショックを受けたでしょう。



私の無事を祈ってくれていた家族にこんな思いをさせた。


あの時犯人について行っていなければ、という後悔を背負った私。


私にはその罪悪感が残り、現世でもたくさんのブロックがかけられています。



自分だけ幸せになるのを許せないのも、ああして家族に迷惑を掛けたから。


ひとまえでなくのがこわいのは、泣いたことで犯人を苦しめてしまい、殺されたから。


女の子らしくするのが嫌なのは、犯人に性的な目で見られて遺体を陵辱されたから。



全部自分が背負って当然の十字架のはず、なのに、苦しい。

幸せになりたい。



どうして私だけこんな目に遭うの?


そんなパラドックスを抱えた前途多難なフリをした偽りのヒロインである私。



ジェットコースター怖がる君がそんなまさかね。



Aさんは怖がりな性格だった。


対人関係にしても、他のことにしても。



Aさんは同じ歳の友達とリカちゃん人形で遊んでいても、友達の母親が話しかけるとおしゃべりを辞めてしまうほどの人見知りです。


でも、トランス状態に入って不安がなくなったAさんは、安易に犯人に身も心も預けてしまった。



Aさんを知る人は、誰もが信じられないこと。



でも、その事実を知っているのは私とAさんと犯人だけ。



たまたまニュータウンとは、多摩ニュータウンを歌っているものです。



多摩市とは犯人の出生地で、Aさんは多摩ニュータウンで殺害、遺体遺棄されています。


また、犯人がAさんの遺骨を焼いたのも自宅、つまり多摩市です。



シンクロニシティかもしれないけれど、Aさんと重なる。


この歌詞の意味は深く考えずに聞くのが一般的。



でも、私には私を導く歌詞のように思えて仕方ない。