犯人は、Aさんを誘拐した時のことをこう語っています。


まず、取り調べ時

「一人ぼっちの女の子がいたから誘拐した」


精神鑑定時

「一人のAちゃんを見た時、一人ぼっちの自分を見ているようだった。子供の頃が懐かしくなった。私にも自分が自分である時期があった」


裁判時

「Aちゃんは歩道橋に立っていた。はしゃぐのではなく、一人でいた。この子は自分を童心に返してくれるいい子だなと思った」


時系列ですが、こう見てみると一貫しています。ブレがないんです。



ただ単純な答え。

「一人ぼっちで歩道橋から景色を眺めたいたAちゃんを見ていたら一人ぼっちの子供の頃を思い出した」

ということでした。



彼の犯行動機は未だに不明瞭と言われています。

イタズラ目的とも言われています。



ですが、Aさんの持っていた性質が全ての悲劇を生んでしまいました。



犯人は、誘拐したのはAさんが初めてです。


彼は同世代の女性との交流が苦手だったため、普段から、素直か幼女や小学生女児で性欲処理をしていました。


方法は、下着が見えるような格好や動作をさせて写真を撮るというもの。


鉄棒をさせたりしゃがませたりして下着が見えたところでシャッターを切ったりしていました。


そしてその写真を使ってマスターベーションをしていました。



初めにAさんを見た時も、ただ性欲を遂げるためだけに尾行していました。


しかし、その予定は一変します。


それはAさんが歩道橋で景色を見ていたところからです。



歩道橋で、一人で景色を見ているAさん。


そして、人付き合いが苦手で、生涯孤独であろうことを悟っていた青年。

また、彼はその三ヶ月前に最愛の祖父を亡くしています。


犯人は、“一人”でいたAさんを、“独り”である自分に重ねて見てしまいました。


犯人はその時のことをこう語っています。

「一人ぼっちの女の子を見ていたら、その子と自分が一心同体になる」


本来であれば、知らない人に着いていくことは決してないAさんは、景色に魅入られトランス状態に陥ったことで、思考が鈍っていました。


そんな時に、彼から声をかけられても“拒否をする”という選択肢を無くしていたのです。


まるで偶然に偶然が重なった出来事であり、シンクロニシティという概念の通り、同じ波長を持った者同士が惹かれあった。


それに、もし仮に拒否していたとしても彼を逆上させていた可能性もあるのです。


そうしてAさんの運命は死へ向かいました。