なんでこの題材、このキャストでこれだけがっかりさせられるのか不思議。
凄く期待していたのに。
山岳物は好きだし、医療物も好きだし、なのになんでこうなった。

フジのドラマ「マウンテンドクター」、ポスト海猿を狙った力作だというのは感じ取れるのだけど、空回りしている。
バックの音楽がダサい、パワハラ気質の先輩山岳医(大森南朋)と転任してきた新人医を専門外にいきなり配属する(しかもリクルート時にそれを伝えていない)無責任な医院長(檀れい)、それぞれに重要なバックグラウンドがあって今そういうスタイルになっているとしたいのだろうけど(そしてそのバックグラウンドがそれぞれ時間を使ってこれから開設されるのだろうけど)、あんな描き方じゃ伝わらない。
ドラマを長引かせるためにわざわざ軋轢を作っているようにしか見えない。
そんな演出的軋轢なんて入れなくても、ああいう現場は大変なことばかりなんだよ。
関係者が全員全力であたって、それでも犠牲者が出るのが山の事故の現場だぞ。
なんだ目標死亡者ゼロって。山を舐めてるでしょ。現場を知らないヤツがシナリオ書いているってバレバレ。
「東京MER」、「ブルー・モーメント」に共通する「かっこよく描くために現実を矮小化してドラマに落とし込む」現象がここでも。
ドラマにはなるけど、それは実際の従事者を舐めてるようにしか思えない。

患者がペースメーカーを入れても山に登れるようリハビリ計画を練って提出したシーンも、詳細に全く触れずに医院長が首突っ込んで「責任取るからやれ」って言うだけ。
なぜダメなのか、どうやってそれを克服するのかをしっかり説明していない。これ医療監修入ってる?

挙句の果てにベッドで寝ている兄がただの幻だったという演出。それいる?何の意味がある?
視聴者にミスリードさせるためだけの演出って、必要?視聴者を考えていない独りよがりでしょ。

主人公の整形外科医の杉野遥亮が頑張るのだけは良かったが、それ以外が褒めるところなし。
今季第一号の「見るのをやめたドラマ」になりました。