常闇の国の物語・Ⅰ常闇(とこやみ)の国には 太陽がなく 常闇の人には 希望がなく 虹の架からない日々を送り 笑うことも始めから知らない 常闇の国には 大きな古い時計台があり 針がいつまで動いていたか 針がいつから止まっているのか 知る人はいない 夢を持つことを知らず 愛することも知らない 錆び付いた時計台の螺子たちは 自分たちの役割を忘れ ただ ただ 心が錆びていくのを 不思議に思わず過ごしている