ボードゲーム「ドミニオン」で勝ちたい、初心者・中級者向けに、デッキ戦略を紹介しています。
前回の「コンボ」戦略に続き、今回は「エンジン」戦略を紹介します。
所謂「村」「鍛冶屋」コンボを基本とする、アクションデッキです。
海外では「エンジン」というデッキ戦略として確立されています。
基本セットの初めてのゲームに入っているようなカードでも可能な戦略ですが、これが一番ドミニオンらしくアクションを駆使して戦う戦略で、当然戦略としてデッキ構築すれば「ビッグマネー」「コンボ」同様にかなり勝てる戦略になっています。
他の戦略と違ってパターンが豊富にあるため、戦略の方針だけ理解したら、あとは自分で試行錯誤してデッキを組んでみるのがおすすめです。
ドミニオン戦略③「エンジン」
「エンジン」戦略概要
アクションカードを沢山購入し、アクションを1ターンに何度も繋いで連続して使用するデッキ構成
ざっくり言えばこれが「エンジン戦略」です。
先に紹介したお金メインの「ビッグマネー」とは対照的な戦略です。
一般的には、
・エンジン部分:村系の「+アクション」カード+鍛冶屋系の「アクション〆ドロー」カード
・補助部分:アタック系、+購入系、獲得系、などのアクションカード
により構成されます。
デッキをガンガン回すことが可能なエンジンを搭載し、補助カードにより更にデッキを膨らませてフィニッシュする、というデッキイメージでしょうか。
「エンジン」戦略の種類
ドローエンジン
+アクションと+ドローのアクションカードにより高速にデッキを回す基本的なエンジン戦略です。
代表的なエンジンは、「村」+「鍛冶屋」など。
+アクション用カードは「ゴーレム」や「玉座の間」も該当します。
大量ドロー後の大量+アクションから各種補助カードをガンガン使ってデッキを膨らませます。
手札を減らしてから、手札をX枚にする、というこのタイプもあります。
代表的なものは、「祝祭」+「書庫」、「寵臣」など
シングルカードエンジン
1枚のアクションカードにより構築が可能なエンジン戦略です。
その1枚を連続して使用するだけで、ガンガンデッキが回るエンジンです。
代表的なカードは、基本セットの「研究所」、陰謀の「寵臣」、異郷の「厩舎」、など。
このエンジンは、村系の+アクションには頼らないので、補助カードはあまり使いません。
1ターンキルエンジン
1ターンで全属州を引ききることを目的とするエンジン戦略です。
複雑で構成に時間がかかりますが、ロマンがありますね。
キーになるカードは、陰謀の「橋」、異郷の「街道」、収穫祭の「豊穣の角笛」など、購入コストを下げてくれる系カードです。
デッキを全て引ききった上で、大量の+アクションから橋等でコストをガッツリ下げて、一気に勝利点を引ききります。
「エンジン」戦略のやり方
特定のカードに依存するわけでも無く、キチンとしたお作法があるわけでは無いのですが、各エンジン戦略のやり方を簡単に紹介しておきます。
まず、最初にゲームで使用する、王国カード10枚を確認しましょう。
エンジン部分となるアクションのあるなしで、この戦略を取れるか否かが変わってきます。
エンジンに使えるアクションが無ければ、当然この戦略は取れません。
・ドローエンジンもどき
「+2アクション」可能な村系カードがあれば、最低限ドローエンジンもどきが可能です。
村系で+アクションを稼ぎ、+アクションからエンジン向きなアクションを大量に使用して、ゲームを有利に進めます。
ただし、あくまでもエンジンもどきなので、デッキの周りはかなり遅いです。
アクションが沢山使えて楽しいですが、他のガチ戦略と比べると、あまり強い戦略ではありません。
・ドローエンジン
村系カードに加えて、「+3~4ドロー」可能なドロー系カードがあれば、ドローエンジン戦略が可能です。
「村」系カードと「鍛冶屋」などのドロー系カードを多めに集めていきます。
財宝カードも購入しますが、多少コストが悪くても、エンジン部分の構築を中心に進めた方が良いでしょう。
エンジン始動に備えて、後述のエンジンに相性の良いアクション、を補助カードとして何枚か仕込んでおきます。
特に普段価値の低い+購入は、ドローエンジンにはかなり役立つことが多いので、1枚位入れたいところです。
時が来たら、村連発からの+ドローカード連発で大量ドローして、補助アクション連打、大量の+金と+購入から属州等を買い漁ります。
良い感じにデッキ構築が出来ていたら、これを毎ターンのように打つことが出来ます。
・シングルカードエンジン
シングルカードエンジンが可能なアクションが場にあれば、シングルカードエンジン戦略が可能です。
前述の通り「研究所」や「寵臣」、「厩舎」など。
やり方はシンプルで、そのキーとなる同じカードを何枚も購入し、それが手札に来る毎に使いまくればOKです。
単純ですが威力は抜群で、プレイしている方は気持ちよくなれます。
最後のアクション〆に使う用カードを補助カードとして少し入れておいても良いでしょう。
・ワンターンキルエンジン
先に紹介したドローエンジンの条件に加えて、キーとなる補助カードがあればワンターンキルエンジン戦略も可能です。
キーとなる補助カードは陰謀の「橋」や収穫祭の「豊穣の角笛」」など。
「橋」を5枚使えば、属州は3コストで公領は0コストになります。
「豊穣の角笛」も場に8枚カードがあれば、属州と交換出来ます。
ドローエンジンは溜めれば溜めるほど、スタートした時の爆発力が高まるので、ギリギリまで力を溜めて、ここぞというタイミングで一気に打ち切れば、本当にワンターンキルも可能です。
(私は成功したことが無いですが(笑))
↓ワンターンキルエンジンに使える「橋」の入っている拡張「陰謀」
↓ワンターンキルエンジンに使える「豊穣の角笛」の入っている拡張「収穫祭」
「エンジン」戦略のポイント
通常のエンジンでは、「コンボ」や「ビッグマネー」のように特定のカード依存では無く、どのカードを採用するかはプレイヤー次第になります。
(もちろん、王国カードの組合せ次第では、選択肢が複数無い可能性もありますが)
エンジンに使用可能な村系の+2アクションカードや、鍛冶屋系の+3ドローアクションは色々な拡張に入っています。
そのため「エンジン」戦略は勝つための戦略の割には、かなり自由度が高く数多くのゲームで採用することが出来るはずです。
エンジン戦略では、まずは何はともあれ、「エンジン」部分の構築に重点を置いた方が良いでしょう。
デッキを高速回転可能な状態を最初に完成させることが重要です。
また、勝利点カードを購入するタイミングも、エンジンを焦がさないために重要です。
一度デッキの回転数が落ちてしまうと戻すのは難しいため、勝利点購入は焦って早すぎてはいけません。
この辺はこの戦略云々以前にドミニオンの一般論ですかね。
また、エンジンで動かす補助カードの選択も重要です。
エンジンに相性のいいタイプのアクションカードを把握しておき、それを補助カードとして採用します。
楽しむのであれば、どんなアクションを採用しても良いとは思いますが、勝つためには相性のいいカードを追加する方が当然勝率があがります。
相性の良いカードはかなり色々なタイプがあり、ここで紹介しておきます。
何を採用するかでエンジン戦略の色が変わってくるので、是非色々試してみてください。
エンジン戦略に相性の良いカード:獲得系カード
基本セット「工房」、錬金術「大学」など
アクションを使うと、購入なしで何らかのカードが手に入ります。
大抵はアクション〆になるアクションカードで使いづらいのですが、エンジンで生成される+アクションからかなり有効に使えるカードになります。
「村」「鍛冶屋」で「工房」を持ってきて、「工房」で「村」「鍛冶屋」を獲得して、とエンジンを更に回す組み合わせはかなり有名で、ドローエンジンの入門中の入門という感じがします。
エンジン戦略に相性の良いカード:圧縮系カード
基本セット「礼拝堂」、海辺「大使」、収穫祭「再建」など
カードパワーの低いカードをデッキから除去して、エンジンデッキの質を上げます。
言わずと知れたこれらの圧縮系カードは、エンジンアクションを見つけやすくなるため「エンジン」戦略でもかなり有効です。
エンジン戦略に相性の良いカード:攻撃系カード
基本セット「民兵」、陰謀「拷問人」、繁栄「ならず者」、呪い系アタック、など
エンジン戦略の+アクションを活かして、他プレイヤーをアタックカードで攻撃してデッキを遅らせます。
当然アタックとして効果の弱いカードを使っても大したダメージにならないので、威力の高いアタックを採用するべきです。
個人的には、「民兵」などの手札を減らす系、もしくは「魔女」などの呪い付与系、がおすすめ。
相手プレイヤーに毎ターン打たれると、確実に勝てないカードの1つです。
エンジン戦略に相性の良いカード:+金系カード
陰謀「男爵」、暗黒時代「死の荷車」など
+X金を生み出す系アクションカードです。
その中でも、特に効果の大きいカードを採用すると、より有効になります。
(男爵は+4金、死の荷車は+5金)
大抵はアクション〆のカードになっていますが、エンジン戦略では+アクションが豊富にあることが多く、空いたアクションにこれらのカード打つことで、財宝カードなしに大量購入が可能になります。
エンジン戦略に相性の良いカード:その他何度打っても効果のあるカード
繁栄「記念碑」、収穫祭「豊穣の角笛」など
何度でも打てる限り打ちたいカードです。
記念碑は打つたびVP(勝利点トークン)が手に入りますし、豊穣の角笛も打つたびカードが手に入ります。
+アクションから打てるだけ打ちましょう。
エンジン戦略に相性の良いカード:+購入系カード
+購入を持っているカード
一般的に価値の低い+購入の効果ですが、エンジンでは比較的価値が高いです。
デッキを大量にドローして使用する戦略なので、当然属州を購入してもおつりが出る位の+金になることは良くあります。
その端数を上手く購入できるようにするには、+購入系カードが必要になります。
+16金あるのに+1購入しかないなんて残念な経験は、エンジンをやったことのある人なら誰もが通る道かと(笑)
大量には必要ないですが、何枚か入れておくと効率が上がるでしょう。
終わりに
以上、ドミニオン戦術の1つ「エンジン」戦略の紹介でした。
文字だらけで読みづらいですね(笑)
ベースとなるエンジン部分の構築と、エンジンから発射される多数の補助カードの構成が肝です。
上手くデッキ構築するにはある程度慣れも必要なので、何度かプレイして感覚を掴むのが良いでしょう。
「村」が少なすぎて逆に「+ドロー」ばかり手札に来て、エンジンが焦げ付いてしまい、勝てなかった経験は私も何度もあります(笑)
エンジンやその補助として採用可能なカードは大量にあるため、基本的な組み合わせ以外は、方針を紹介するにとどめています。
あと、エンジンガチプレイも良いですが、デッキに1,2枚入れておいて、たまたま一緒に手札に来たらラッキー位の感覚でプレイする方が、個人的には好きですしお勧めです。
ドミニオンの戦略紹介続きます。
↓初代ドミニオン。エンジン戦略はこのセットの「村」「鍛冶屋」から生まれた。
↓初代ドミニオン第二版。カードパワーの低い地雷カードが軒並み新カードに取り替えられた。
↓拡張その1。強烈な攻撃的アクションが増えた。アクションカードのパワーが高くエンジンに採用可能なカードが多い。
↓マッタリ拡張。初心者に最もおすすめ。エンジン戦略観点では若干控えめなカードが多い。
↓「錬金術」は基本性能が強力なカードが多く、「エンジン」向きなカードがかなり多い。
↓最強のエンジンカード「宮廷」、強力なアタック「ならず者」など、「エンジン」向きカードが多い。