毎週日曜日に細々とアップしていたこのブログも、気がついたら200回目となりました!
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。

記念すべき200回目にご紹介する曲は、Dona Yvonne Lara(ドナ・イヴォンニ・ララ)が、音楽創作上の長年のパートナーであったDélcio Carvalho(デルシオ・カルヴァーリョ)と共に創ったサンバの名曲Sonho Meuです。

Sonho Meuとは、私の夢と言う意味。

Donaはポルトガル語で女性に付ける敬称で、ブラジルの人々はYvonne Laraに敬意と親しみを込めてDona Yvonne Laraと呼びます。

Yvonne Lara(Ivone Laraと綴る場合もあり)は、1921年に音楽を愛好する両親のもとで生まれ育ちました。
多くの男性のサンバ作家と同様に彼女も仕事を持っていました。

彼女は、黒人女性が高等教育を受けることが稀な時代に、リオデジャネイロ連邦大学の看護学部を卒業後、30年以上精神疾患を抱えた患者のための作業療法士として活躍し、ブラジルでの精神医療の改革で中心的な役割を果しました。

1977年に医療の現場からは退職し、サンバの創作に専念することを決意、1978年に創作したのがSonho Meuです。
それに先立つ1975年に、彼女は28年間連れ添った夫を亡くしています。

Dona Yvonne Laraはエスコーラ・ジ・サンバ(サンバスクール)の一つ、Império Serranoで初めての女性のサンバ作家となり、A Rainha do Samba(サンバの女王)と呼ばれました。
90を過ぎても演奏活動を行い、2018年に96歳で亡くなっています。

私の夢、私の夢
遠くに住む人を探しに行こう
私の夢、私の夢
遠くに住む人を探しに行こう

このサウダージを
自由と共に表そう
私の夢
私の空からは導きの星が失われ
こごえる夜明けが
物悲しさだけを運んでくる
私の夢

風の中に夜の歌を感じ
心の中で花のように踊る
純粋なサンバは
愛の苦しみを運んでくる
サンバは私たちの体を揺らし
そよ風は花を揺らす
私の夢

この曲を最初に歌ったのはMaria Bethâniaで、彼女のアルバムの中で数々のヒット曲を産んだ1978年にリリースされた”Álibi”に収録されています。特別参加はGal Costaです。



1979年にDona Yvonne Laraは、62歳でデビューした超遅咲きのサンバ歌手Clementina de Jesus(クレメンチーナ・ジ・ジェズス)のアルバムに参加しています。この時、Clementinaは78歳でした。


Nilze Carvalho(ニウゼ・カルヴァーリョ)が2001年に設立したグループ、Sururu na Rodaによる歌と演奏。


ペネロペ・クルス主演の映画Woman on Topのサントラに収録された一曲。Paulinho Moska(パウリーニョ・モスカ)が歌っています。
この映画ではペネロペ・クルスはブラジル人と言う設定であるため、サントラにはブラジルのアーティストが多数参加しています。


多くのアーティストたちがDona Yvonne Laraを囲んで歌っています。



★ポルトガル語の歌詞とコード進行はこちらをご覧ください。
Principal, Maisのタブでコードの種類を選べます。


 
※毎週日曜日に掲載します。
次回は5/26です。