10/11はサンバの巨人Cartola(カルトーラ)の誕生日でした。(1908年生まれ、1980年逝去)
そこで、今日は彼が作詞作曲したAconteceをご紹介します。
Aconteceとは(何かが)起こると言う意味で、起こってしまった愛の終焉を歌った曲です。

この曲が初めてお目見えしたのは1972年で、Paulinho da Viola(パウリーニョ・ダ・ヴィオラ)のアルバム”Dança da Solidão”に収録されました。

Cartolaの音楽キャリアは長く、1928年にEscola de Samba(サンバスクール)の一つであるEstação Primeira de Mangueira(マンゲイラ)の発起人の1人となりました。
1940年代後半から50年代にかけての不遇の時代を経て、60年代にサンバ界に返り咲いています。

彼自身の最初のアルバム”Cartola”は66歳を迎えた1974年にリリースされました。
Aconteceはそのアルバムに収められた12曲のうちの1曲です。

僕たちの愛は忘れてほしい
忘れたことにしてほしい
世の中ではあらゆることが起こる
僕はもうどう愛せばいいかわからない
君は泣いて苦しむだろう
君にはふさわしくないことだが
それは起こるのだ

どうやら僕の心は冷めてしまったようだ
そして僕たちの愛の巣は空っぽだ
もし僕がまだ君を
愛しているふりをすることができたなら
ああ、それができたなら
でも僕はやりたくないし
やるべきではない
そんなことは起こらない


この曲を最初に歌ったPaulinho da Violaのライブ動画。冒頭に登場し、Paulinhoの右隣に座っているのはCartolaです。
1972年にこの曲を歌った時、Paulinhoは30歳でした。


こちらはCartolaのギター弾き語り。
いい声ですね。


Divina(神性)の異名を取ったElizeth Cardoso(エリゼッチ・カルドーゾ)の歌。
若い頃には分からなかった彼女のよさが、歳とともにじわじわと来るようになりました。


そのElizethにインスパイアされたRosa Passos(ホーザ・パッソス)が歌うAcontece。彼女はコンポーザーでもあり、ギタリストでもあります。



長谷川きよしが日本語で歌うAcontece。

訳詞も彼の手によるもので、原詞の内容をほぼ忠実に踏襲しています。

長谷川きよしの歌に加え、フェビアン・レザ・パネのピアノがまたいいです。(泣ける)



★ポルトガル語の歌詞とコード進行はこちらをご覧ください。
Principal, Maisのタブでコードの種類を選べます。
 


※毎週日曜日に掲載します。
次回は10/22です。