発売から気になってはいたけど
この間紀伊国屋で立ち読みして結構面白そうだったので購入した。
冒頭こそ歴代のギターアンプが写真付きで紹介されていて
ギター雑誌のような風体ではあるが、
本編からはギターアンプとは一体何なのか、
どういう風に向き合って行くべきなのか。
といった著者の持論が大部分に渡って書き記されている。
小難しい感じもするが、内容がどれも簡潔な事と、
ほどほどに話し言葉で書かれているのがかえって良く、
スラスラと読み進められるように感じた。
特に巷で話のタネになりがちなクラスAだとかバイアス調整だとか
マーシャルの個体差なんてあたりの話が一刀両断されているのはとても爽快だ。
後半の有名ギタリストのセッティング紹介と西くん、MrPanの対談も丁度いい。
コレクターの人の話も面白いんだけど実際使ってる人たちの話が一番面白いんだよね。
著者のアンプは新宿レッドクロスに出演した際に何度か鳴らした事があって、
フルテンで使えるよう出力を落としたツインリヴァーブだとか、
AC-30をさらにシンプルにしたようなカスタムアンプなどがある。
どれも骨っぽいというか、確かに市販品にはないガッツのある音が出る。
特に前述のカスタムアンプは、強いて言えばAC-30HWのような素直さがあって
歪みペダルと組み合わせるにはベストなアンプの一つだと感じた。
ギターアンプに関しては正直まだ未知の部分は多い。
例えば、キャビの好き嫌いを感じたことはあるけど、
それがスピーカー起因なのか、筐体起因なのか といった事は
同じキャビでスピーカーを変えてみない事にはわからない。
パワー管にしたって、同じ個体でEL34や6L6を入れ替えたりした
経験がない限り、確実な事は言えないと思う。
金銭的にまたは物理的に少しハードルが高いものが多い中で、
本書はアンプを含めた音作りをする為の手引きとなるだろう。
気になっている人はとりあえず買っておいて
損はないんじゃないだろうか。おすすめです。