
■監督:ニール・ブロムカンプ
■出演:シャルト・コプリー、デビッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ
■ストーリー
南アフリカ・ヨハネスブルグ上空に突如現れた巨大な宇宙船。船内の宇宙人たちは船の故障によって弱り果て、難民と化していた。南アフリカ政府は“第9地区”に仮設住宅を作り、彼らを住まわせることにする。28年後、“第9地区”はスラム化していた。超国家機関MNUはエイリアン(通称:エビ)の強制移住を決定。現場責任者ヴィカスを派遣、彼はエイリアンたちに立ち退きの通達をして回ることになるのだが…。
感想。ネタバレ注意公開当時の感想です。
まず最初に、昆虫類や甲殻類が苦手な方は観ない方が無難です。
通称エビと呼ばれているエイリアン達の容姿がもろにそういう甲殻類系なのですよ。
あ、予告編のようなSFを期待しても駄目ですよ~舞台はほぼスラム街ですからw
私は好きだなぁ、こういう泥臭い内容。
主人公が悪なわけでも善なわけでもない、当然ヒーローでもヒールでもない普通の人間くさい人間。
綺麗事とか美しい友情とか無い(わけでもなく、あるんだけれど色々複雑な)のがリアルで良いね。
窮地に追い込まれたら、人間こうなっちゃうよなぁ・・・・としみじみ思いました。
いやいや、これは好き嫌いは激しく分かれる作品だと思います。
気色悪いのとか血みどろ系が苦手な人も・・・・遠慮した方が良いかもしれませんが、平気な人にはオススメ☆
突っ込みどころは満載で、疑問符が一杯出ちゃう設定ですが、まぁそういうところがB級作品ですね。
続編出たら観に行っちゃう。アレで終わってないだろうし。
上の画像にあるのが彼ら『エビ』(エピっぽいからエビと言われてる)の宇宙船です。
でもこれはラストまではただの景色の一つていうかね、全く動きません。
ただ停泊してるだけ~作品のメイン舞台はこの下のヨハネスブルグ郊外の荒野に建設された通称「第9地区」と呼ばれているエビ達が暮らしている仮設収容所(ただのバラックしかないスラム街)なのですよ。
突然ヨハネスブルグ上空に停泊しちゃった謎の宇宙船ですが、地球人が呼びかけようが何しようが応答無しだったので、業を煮やした地球の政府機関が無理矢理入口をこじ開けて内部に突入したのですね。
中には栄養失調で元気がないエビたちがぐったりとしていたのですよ。
それで急遽彼らを宇宙船真下の荒野に降ろして仮設住居を与えて保護したのですが、当然価値観も生態系も倫理観も全く違う生命体同士、上手くいくわけもなくて。
瞬く間に仮設住居地区は無法地帯と化し、街の人々と諍いを起こしまくるのですよ。
どうやら彼らは「働き蜂」レベルの階層らしく、司令官レベルのエビは地球へ到達するまでに死亡したらしく、しかも宇宙船を動かす装置(司令艦みたいな小さい船)がここへ到着したときに宇宙船から落下して行方不明なので、彼らは全くこの宇宙船を動かすことが出来ないでいるらしいのです。
なんか突っ込みどころありありの設定ですけどね。
それで街中でやりたい放題の彼らとピリピリ警戒しながら20年。
ついに超国家機関MNUはエビ達の強制移住を決定するのですよ。
その責任者に抜擢されたのがMNUのCEOの娘婿ヴィカス(主人公)なんですねー。
このエビ達が笑える設定なんだよ!Σ(´∀`;)
好物は「猫缶」w「猫缶」欲しさに武器も売っちゃうwwwまるでドラッグ中毒。
生肉とかも好きだし、ゴムも好きだからタイヤも食べるという意味のわからん設定。
そしてそのエビ達相手にナイジェリアからやってきたギャングが第9地区で暗躍してるし。
ギャングがエビ相手に商売をしてるんだよ。
エビ相手の娼婦とか居るし(^_^;)
それに猫缶と交換に武器を買い取ってるw
エビの武器は凄い破壊力なんだけれど、彼らのDNAにしか反応しない仕様で、人間には扱えないんだよね。
なのに、それらを執拗に欲しがっていて猫缶と交換しては収集してるんだよね、ギャングは。
彼らはエビを殺してその心臓を食べれば武器を扱えるようになると思ってるらしい。
そんなんで武器を扱えるようになるんだったら、とっくに彼らを研究しまくってるMNUが実用化してると思うのだが。
MNUの裏の顔は武器の開発会社だったのですね。
エビの強力な武器をなんとか実用化したいのですよ。
それで、彼らを都市から離れたところに新設した「第10地区」に移住させるのを口実に彼らの武器を根こそぎ奪ってしまおうという魂胆もあったのです。
その責任者がヴィカスです。
24時間以内に強制退去させるのが仕事なのですが、法律上立ち退きのサインをエビ達から貰わなくてはならないのでバラックの1戸1戸を訪ねて回るヴィカス達。
もうこのヴィカス、やなやつです(¨;)
エビの卵が産卵されて育てられている小屋を見つけたら栄養を送り込んでいる装置を引き抜いて、更に燃やして卵が弾ける音を部下に「ポップコーンみたいだろ?」とか笑いながら言ってるし。
エビを「知的生命体」と扱ってないんですよね。
多分彼の頭の中は「CEO(義父)に有能なところを見せて更に気に入って貰いたい」と言うことだけなんだろうなぁ。
そうやってかなり調子に乗りながらエビからサインを貰いまくりのやりたい放題なヴィカス達。
そしてエビの中でも多分元々地位の高い男らしいクリストファー・ジョンソン(なんで思いっきりベタな英語名なんだw)とヴィカスが出会います。
クリストファーには可愛い息子も居ます。
クリストファーは20年かけてこっそりとゴミの山から自分達の製品(武器の残骸とかかな?)を探し出して、そこから黒い液体を抽出してるのです。
どうやらそれが動力源になるらしい。
やっと満足な量を取り出すことに成功したのに、ヴィカス達がやってきます。
クリストファーは液体を友人に隠すように言って裏口に隠れます。
クリストファーの友人がその間になんとかヴィカス達を誤魔化しますが殺されます。
ヴィカスはクリストファーの小屋に入りました。
黒い液体の入った筒のような装置はヴィカス達が入ってくる寸前にクリストファーの友人が箱の中に隠しました。
クリストファーの小屋が拾ったコンピュータの山なのに警戒して、この小屋を捜索するように命じるヴィカス。
警護の傭兵はクリストファーの息子を殺そうとしますが、子どもは止めておけと止めるヴィカス。
ヴィカスは息子にキャンディーをあげます。投げ返されますけれどね。でもこの子はヴィカスを気に入ったらしい。
で、家捜しして見つけたのが例の黒い液体が入った筒。
開けようとして黒い筒を顔に被っちゃうヴィカス!
これが彼の悲劇になるのですよ。
なんとその液体のせいで腕から徐々に「エビ化」していくのです~ひ~!
なんで「動力源」なのに被ったら「エビ化」するのか激しく疑問w
クリストファーはヴィカス達が立ち去った後にその筒を探しますが、ヴィカスが持ち帰っちゃったので当然見つかるはずもありません。
嘔吐したり鼻から黒い液体が垂れたり爪が剥がれ出すヴィカス。
そして自宅へ何とか戻ると、タイミング悪く両親や友達等が集まっててヴィカスの昇進パーティを開催してくれてたのでした。
そこでぶっ倒れちゃうヴィカス。
病院へ担ぎ込まれて、そこで「エビ化」し始めている腕に医師が仰天し、ヴィカスは通報を受けたMNUに強制連行されてMNU本社のラボに搬入されます。
そこで生体実験されるヴィカス。
今まで散々エビ達を虐げてきたヴィカスが今度はその対象になっちゃって、ラボの実験道具にされちゃうんですね。
変化した腕でエビ達の武器を扱えるようになったヴィカスは、とうとう「生きたまま解剖」されかけちゃいます。
流石にぶち切れたヴィカスがエビ化してるせいで怪力になったらしく、拘束具を引きちぎって逃走します。
指名手配されて名前と顔をテレビで流されて行くところがありません。
愛妻タニアに携帯で連絡しますが、彼女は父親であるMNUのCEOに「ヴィカスはエビの雌とセックスしたからエビ化したんだ」と嘘を吹き込まれていて、ヴィカスを拒絶します。
「違うって!なんであんなのと出来るんだよ。それは嘘だ!」と弁明しますが、切られるし。
それで街に居られなくなったヴィカスは「第9地区」に逃げ込むのですね。
クリストファーの小屋を訪ねて「かくまってくれ」と言います。
クリストファーはヴィカスのエビ化を見て「母艦に戻れば治せる」と言い、それにはあの黒い液体が必要だと言います。
なんとクリストファーの小屋の地下には、あの28年前に落下した「司令艦」があったのですよ。多分こつこつと黒い液体を集めながら修理してたと思われる。
液体を集めるのに20年って言ってるから、あの宇宙船が出現してから無理矢理入口をこじ開けるまでに8年の間があったのかな。
それで利害関係が一致した二人は団結して液体が保管されているMNU本社の地下4階ラボに突入するため、ギャングのアジトに行って武器を売ってくれと頼みます。が、売ってくれるわけもなく、更にエビ化したヴィカスの腕が欲しいと言って切り落とそうとするし。ギリギリエビの武器を使って逃げて、更に武器を奪って逃走するヴィカス。
二人は地下4階ラボに突入して液体を探します。その時に色々実験されてて酷い死に方になってるエビ達の姿を見て、更にその中に多分クリストファーの奥さんの死体があったんでしょうね。
その前で呆然と立ちすくんでいるクリストファー。傭兵達が攻撃をしてきますが、呆然としてるクリストファーに息子の事を言われて我に帰って液体を持ち、壁に爆弾で穴を開けて自動車盗んで無事逃走。
なんとか追っ手を振り切って小屋まで戻りますが、そこでクリストファーに「元の体に戻すのに3年かかる」と言われて逆ギレしちゃうヴィカスΣ(´∀`;)
酷い事に小屋の外にクリストファーを残して、息子には「父ちゃんは後で来るよ」と嘘付いて司令艦を起動させます。
酷いよヴィカス( TДT)お前最低だよ( TДT)
地中から浮上した司令艦ですが、ミサイルに片方のエンジンを破壊されてバランスを崩して墜落します。
で、クリストファーもヴィカスもMNUの傭兵部隊に捕まっちゃいますが、そこへヴィカスを奪いに来たギャングが襲撃!
大混戦になるんです。アジトに連行されたヴィカスは、一人司令艦に残って操作盤をサクサクと操作する息子君の機転でアジトにあった「猫缶100個」と交換した機動歩兵ロボットを起動させてヴィカスを助けます。
しかも息子君、頭良いね~。母艦も動かすのですよ。きっとクリストファーが司令艦で操作方法をずっと教育してきたんだね。
そのロボットに乗り込んで傭兵やギャングと戦い、クリストファーを葛藤しつつも助けて(最初見捨てようとしたけれどw)「ここは俺に任せろ。息子と惑星へ帰れ」と言うヴィカス。
「3年まっててくれ!」と言い残して、傷付きながらも司令艦まで辿り着いて息子と共に母艦へ戻り、母艦を操作して自分達の惑星へと向かう親子。
えーと・・・・・他の同胞達、放置なんですが・・・・3年後に迎えに来るのかな?
そもそも、ちゃんと自分達の星に戻れるなら、なんで地球に漂着したの?
いろいろ疑問を残したままラストは完全にエビ化しちゃったヴィカスがスラム街に身を潜めてクリストファーを待つシーンで終了。
MNUの人々は、クリストファーの行方は掴めてないのですよ。多分今も捜索中なのでしょうね。
「第9地区」のエビ達は「第10地区」に強制移転になりました。
そこで終わり。
だからきっと、続編があると思うんだけれど。
誤解が解けた妻のタニアはクリストファーを待ち続けています。
いろいろ書きたいことはまだあるのですが、文字数制限でこれ以上書けません( TДT)