レジェンド・オブ・シルバー 借りぐらしの妖精
■監督:カタリーナ・ラウニング、ローアル・ユートハウグ
■出演:シーメン・バッケン、シグヴェ・ボー、ニコリーネ・ウルシン・エーリクセン、カーリ・アン・グロンスン、キッレ・ヘッルム
■ストーリー
解説

盗まれた“時を司る魔法の銀の砂”を巡って、借りぐらしをする妖精たちの大冒険が始まった!!

ヨーロッパに伝わる数々の妖精伝説。その中でも借りぐらしの妖精伝説は『借りぐらしのアリエッティ』で日本でもおなじみ。人間が生活している中で何故かそこにあったものがなくなっている事はよくあること。ヨーロッパでは、それは妖精の仕業とされており、本作に登場する妖精の種族である。そして本作には、もうひとつの妖精種族が登場する。それは時を司る魔法の銀の砂の番人、銀の砂は昼と夜の移り変わりを支配する不思議な力を有しており、妖精たちはその砂を守っているのだ。しかし、この二つの種族の、あるいさかいによって銀の砂は失われてしまう。この苦難に二つの違う種族の妖精たちは、やがて力をあわせて挑んでいく!

『ネバーエンディング・ストーリー』『スターウォーズ 帝国の逆襲』を彷彿とさせるSFXを駆使した迫力のエンターテインメント!

不朽の名作『ネバーエンディング・ストーリー』を彷彿させるしゃべる岩や 『スターウォーズ 帝国の逆襲』の森林のチェイスシーンを彷彿させるソリでのチェイスシーンなど、迫力満点のシーンが満載!

あらすじ
屋根裏に隠れ棲む借りぐらしの妖精、そして時間を支配する不思議な銀の砂を守る妖精など、世界はたくさんの妖精たちで守られている。しかしそんなある日、魔法の銀の砂が妖精たちの、ある小さないさかいから人間の住む下界に持ち出されてしまう。銀の砂がなくなってしまった世界はやがて永遠の闇に包まれてしまう。このピンチに妖精たちは恐ろしい人間が住む下界へと冒険の旅に出る。そして本当の勇気が彼らの胸に宿った時、奇跡は起こった──


感想。
地味ですが、北欧映画らしい独特の雰囲気で意外と面白かったです。
児童文学系というのか子供向けファンタジーなのに、何故か「字幕」しかないという…
これは小学生あたりに観せると良いと思うのに、何故吹替を付けないんでしょうかね、販売元の角川映画さん(;´Д`)

本当に派手さは無いです。
臆病者の王女が、大事な父親(王様)の為に勇気を出して外の世界へ飛び出していくというお話です。
ファンタジーにありがちなモンスターや血みどろの戦いなんてのは一切出てきませんので、そういう刺激的なのが嫌いな人向けだと思います。

主人公であるフェルローサは青の妖精の王女様。
青の妖精は“青の山”に住んでいます。彼らの使命は「青の時間を作ること」。
朝の定刻にブルーベリーをすり潰して作った汁を“マジック・シルバー”と呼ばれる銀砂の中に入れるのです。そうすると世界に光が満ちて朝が来る。青の妖精達が住んでいる山の洞窟の扉が開いて、光が満ちている時だけは青の妖精は山の中から外の世界へ出ることが出来ます。
そして夕方、定刻に山は扉を閉ざすので、それまでに青の妖精は山へ入らなければいけないのです。山へ入ることが出来なかった妖精は消えてしまうのです。
この世界では、青の妖精が朝をもたらすという設定なんですね。
青の妖精の掟は、山が閉じる前に帰ってくる事と、余所者を山へ連れてこないということ。

そして王女フェルローサ(多分12.3歳位?)は臆病で、一度も外の世界へ出たことが無いんですよ。それを他の子供達にからかわれてたりもします。
そんなフェルローサの唯一の肉親である父親(王様)は、随分年老いていて側近に「最近目が悪い。もう寿命かもしれん」みたいな事を漏らしているのを、盗み聞きしちゃいます。
それで悩みに悩んだフェルローサは、今まで恐くて近寄りも出来なかった「王族だけが入ることが出来る」という禁断の地下へ入り、そこに居る“太古の精”に相談しに行きます。“太古の精”は何でも知ってるとの事らしい。
太古の精ってのは、どうやら代々の青の精の王が死んだ後に精霊化するみたいだね。

それで「お父様の病気を治すにはどうすれば良いのか」と問うフェルローサに一人の精霊が「昔々人間が“お金があれば病気を治せるのに”という会話をしていたのを聞いたことがある。お金というものなら、もしかしたら治せるかもしれん」とアドバイスします(*;゚;艸;゚;)ブハン

工工エエェェ(´Д`)ェェエエ工工
お金…いや、お金があれば医者は呼べるし薬も買えるけれど…そういう意味合いでは…太古の精、使えねぇ(-∀-;)

青の妖精達には「通貨」という概念もなく、当然「お金」が何であるのかフェルローサもしりません。
しかし、人間の所へ行けば「お金」が手に入るのね!と今まで恐くて出て行けなかった外の世界へと勇気を振り絞って出て行き、こっそりとソリに乗って麓の人間の家へと向かうのでした。

途中で“赤の妖精”に出会います。
“赤の妖精”は人間の家の屋根裏などでひっそりと暮らし、人間に見られぬよう家畜の世話や家事などを手伝い、その見返りとして自分達が生きていくだけのほんの少しの食べ物を頂くという、人間と共生共存で長いこと暮らしてきてる妖精です。
彼らは“人間に見られたら消えてしまう”のです。
フェルローサが出会ったのは“赤の妖精”の王子ドゥレンで年齢は似たような感じで、丁度この付近の牧場に借り暮らしをしている赤の妖精一家へ「赤の女王の代理で訪問を任された」らしい半人前の“自称王様”です。
王冠は被ってますが、全然“王様の風格”は無い少年。

半人前同士の王女フェルローサと王子ドゥレンの一所懸命な奮闘記って感じですかね。
この後、お金を拝借したフェルローサのせいで人間が怒って「屋根裏に暮らしてる妖精が盗んだんだろう」と勘違いをし、赤の妖精が住処を追われ、彼らを青の山へと連れて帰ったフェルローサが「余所者を連れ込んだ」という掟破りの罰で山を出て行かなければならない事態に陥ったりと様々な危機が訪れます。
一触即発ぴりぴり状態の赤と青の妖精。
さてフェルローサはどうなってしまうのか~(;´Д`)

最後には人間の方でもハッピーエンド、妖精達もハッピーエンド。
人間が怒った原因もフェルローサでは無くて犯人は別にいましたし。
マジック・シルバーも一時人間の元に持って行かれて、朝が永遠に来ないピンチを迎えますがそれも解決。
赤の妖精もちゃんと元の住処に戻れます。
残念ながらフェルローサの父親は寿命で亡くなってしまいますが、フェルローサは新女王として見事な成長を遂げたし、死んだ父親は結局“太古の精”の仲間入りを果たしただけで、いつでもフェルローサと会話できる状態だしw
なにそれ王族特別扱い過ぎだなwww
という突っ込みどころは多々ありましたが、刺激的な作品ばかり日頃観てるので、たまにこういう癒し系を観ると新鮮ですわ(*´Д`*)
ちなみに妖精達は全部人間と同じサイズです。なんでそのサイズで人間に見つからないw

吹替があれば、子供とまったり観るのにオススメ出来るんですけれどね~勿体ない。