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■監督:キャメロン・クロウ
■出演:マット・デイモン
    スカーレット・ヨハンソン
    トーマス・ヘイデン・チャーチ
    パトリック・フュジット
    エル・ファニング
■ストーリー
解説
原題は「We Bought a Zoo」(動物園購入)。信じられないような話だが、これは実話をベースにした物語だ。原作は、動物には素人の英国人作家が動物園付きの家を買い、人生や家族を見つめ直していくというベストセラー。脚本家であるキャメロン・クロウが他人の脚本を監督することは珍しいが、本作にはいつもの彼の映画のように、笑いとペーソスに満ちた「失意と再生の物語」になっている。大きな喪失感を抱え、バラバラになっている家族。とくに父と息子は他人へ配慮する余裕もない。そんな彼らが溝を埋めていく姿は感動的だ。「ボーン・シリーズ」とは異なり、恰幅のいい中年体型のマット・デイモン、そんな彼を愛していくスカーレット・ヨハンソン、そして『SUPER8/スーパーエイト』のヒロインに続く好演のエル・ファニングなど、俳優たちのアンサンブルも見どころだ。

あらすじ

“奇跡”の実話に基づいた家族再生の“軌跡”を描く感動作

ロサンゼルスの新聞社で突撃取材コラムを担当していたベンジャミン・ミーは、半年前に最愛の妻を亡くし、失意の中にいた。7歳の娘ロージーと14歳の息子ディランの世話もあり、ベンジャミンは仕事もやめてしまう。ディランは学校で次々と問題を起こし、遂に退学。娘も隣家の物音で寝付けない日々を送っていた。
ベンジャミンは心機一転引越しをすることに。一番気に入った物件には、なんと閉鎖中の動物園がついていた。ベンジャミンは購入を見送るつもりだったが、ロージーは大喜び。覚悟を決めて動物園付きの家を買うことにした。
周囲は大反対だったが、ベンジャミンは動物園の再オープンを目指すことに。動物園には200頭もの動物と、再オープンを信じるスタッフがいた。素人には動物園ビジネスは勤まらないと警告されるベンジャミン。次々と襲いかかる試練や資金難。だが、飼育員と地域の人々、亡き妻からの贈り物に支えられ、ベンジャミンは再び冒険に立ち向かう。妻とのある約束を果たすために──。


感想。
実話ベースなのですね。面白かったです(*´Д`*)
あっさり解決しすぎとかリアリティが無いとかって突っ込んじゃいけません。
これは夢を見させてくれるジャンルのお話です。
みんなが幸せになれる作品。
みんなの心が一つになるまでの軌跡を描いたヒューマンドラマでした。
とても夢がある内容です。今の時代には大事な要素。
不況で暗くなりがちになってる今の世の中だからこそ、こんな作品が沢山出てくるべきですね。

原作者のベンジャミンは、本作に対して「人から不可能だと言われても私は決してあきらめません。あきらめるということは、失敗と同じです。どんなことでも実行してみれば、たとえ不可能に思える時でも成功するチャンスはあります。私の物語にふれてくれた人が、何かを感じてくれて、その人たちを励ますことができれば、とても嬉しいです」と語ってます。
良い言葉ですね(*´Д`*)

この作品には様々な人間関係や感情が織り込まれています。
これ以上はないというくらい深く愛した妻を病気で亡くしたベンジャミンの苦悩。
父ベンジャミンと息子ディランのギクシャクとした関係。
母親を亡くした多感な14歳の思春期ディランの苦悩。
そんなベンジャミン一家を心配する兄ダンカン。
動物園を買うことになり、ジャーナリストからいきなり動物園のオーナーという未知の世界へ飛び込んできたベンジャミンを試すように見守る飼育員達のそれぞれの思い。
その飼育員達の動物達への愛情や苦悩。葛藤。
大事に育ててきた動物の死への向き合い方。
それから、動物園でずっと働きつつ育ってきた素朴な13歳の少女リリーと街育ちディランとの幼い恋も見逃せません。
兄ダンカンも最初はベンジャミンのとんでも無い行動に反対をしていましたが、やがて彼もベンジャミンの熱意に動かされて手伝い始めるくだりが好きです(*´ェ`*)

もう動物園を整備する資金が尽きてどうしようも無くなったとき、妻の愛用していたパーカーのポケットから貸金庫の控えが出てきます。
奥さんがジャーナリストとして世界中を奔放に取材で飛び回っていた夫ベンジャミンの先を見越して多額の「冒険用の資金」を確保しておいたんですよ(*´Д`*)素晴らしい愛情だわ。旦那さんの性分も全部理解してるんでしょうねぇ。
他人の冒険の取材ばかりしてきたから、今度はあなた自身が冒険を楽しんでと言う妻の手紙も添えられてました。
ダンカンはその金について、もう充分動物園に対しては頑張ったんだから、今度こそ自分自身のために金を使えと忠告します。
でも妻の手紙には「ダンカンの言うことは聞かないで!」と書かれてますw妻グッジョブww

ベンジャミンと息子ディランの確執も、お互いの遠慮から摩擦が発生していたのですね。
本気で喧嘩しあって、そしてようやく本音をぶつけられて、腹を割って男同士話し合って仲直り。
うん、この辺も良い描き方をしてると思います。
詳しくは作品を観てね(`-д-;)ゞここまで詳細に書くと文字数オーバーしちゃうw
思春期なディランに恋愛アドバイスする父親。いいね、アメリカンな感じでオープンで。
20秒だけ恥をかく覚悟をすれば良いんだ。
うん、それだけの勇気があれば充分なのよね。それが難しいのが恋愛なんだけれどね。
勇気を振り絞るディランが、青春~な感じでカワユス( ノ∀`)ポッ.+゚*。:゚+

動物園の方でも様々な難題がのし掛かってきます。でもけっして負けない諦めない投げ出さないベンジャミン。
その心がやがて従業員達にも届き、皆は一丸となって再オープンを目指します。
とても好きな展開だわ(〃ω〃)いやーな農水相?農林省?の検査官が良い味出してるw実はこの人も動物園が大好きなんだろうなというのが滲み出てるww好きじゃないとあそこまで熱心になれないでしょwww

そしてドキドキのオープン当日。
長く降り続いていた雨が嘘のように止み、ピカピカに晴れ渡った朝を迎えました。
さぁ、10時開園。お客様は来て下さるだろうかヽ(д`ヽ)。。ドキドキッ。。(ノ´д)ノ

・・・・・・・誰も来ないヽ(´Д`;≡;´Д`)丿アワワ

「何かあったんだ!」と外からの一本道をかけていくディラン。
最初は唯一人ふて腐れて手伝いもせず動物園ウゼー街帰りテーだったディラン君、変わったね(´;ω;`)嬉しいよ。
そこには、ゆうべまでの大雨で倒れた大木が道をふさいで居たのですΣ(´∀`;)
大木の向こうには大勢のお客さんが立ち往生。

慌てて一人一人を大木の隙間からお通しするベンジャミン達。
お客さんは満面の笑みで開園を喜んでくれてました。
。・゚・(*ノД`*)・゚・。よかったよかった。
園内は大盛況で、ベンジャミンの冒険は大成功!いや、ここからが本当の人生の冒険になるわけですね。
ようやくスタートラインに立てたベンジャミン。

だがしかし、発券所でキスするベンジャミンとケリーにはちょい違和感(;´Д`)
いや、そこまでに至るエピはあったよ。あったけれど、動物園大成功で充分感動するんだから、これはぶっちゃけ私には不要シーンだと思った。
元気にお客さんの相手をする本人や息子や娘や従業員の姿を写せばそれで良いと思うんだけれど。

最後に、ベンジャミンと妻が出会ったカフェに子供達を連れて行くシーンは良かった。ようやく“死”を受け入れて乗り越えられた3人の前向きな姿を綺麗に描いてると思う。
彼女の事を忘れて新しい人生をスタートさせるんじゃなくて、彼女の心は常に自分達の中にあって、それを踏まえて受け入れて新しいスタートを切ったんだという表現かな。
それには、年老いた虎スパーの存在と死も大きな役割を果たしたんだと思う。
出会いと別れを後味悪くなくうまく組み合わせてると思った。
その辺、リアリティが無いと言えば無い面もあるけれど、こういうのも良いと思います。
リアリティというものが重要ではない時もあるよね、うん。

是非御家族でカップルで、勿論お友達とも、ほっこりした気分で映画館から出てきたい人にオススメします(=゚ω゚)ノ