メランコリア
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映画「メランコリア
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■監督:ラース・フォン・トリアー
■出演:キルステン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、アレキサンダー・スカルスガルド、ブラディ・コーベット、キャメロン・スパー
■ストーリー
「アンチクライスト」の鬼才ラース・フォン・トリアー監督が、一組の姉妹とその家族を通して世界の終わりを描く衝撃のドラマ。巨大惑星の異常接近によって終末を迎えようとしていた地球を舞台に、世界の終わりに立ち会うことになった人々の姿を圧倒的な映像美とともに荘厳な筆致で描き出す。主演は「スパイダーマン」のキルステン・ダンスト。共演にシャルロット・ゲンズブール、アレキサンダー・スカルスガルド、キーファー・サザーランド。

その日はジャスティンにとって、人生最高の1日になるはずだった。マイケルとの結婚パーティーは、いま、姉クレアと夫ジョンの豪華な邸宅で盛大に行われている。しかし、皆の祝福を受けながら、ジャスティンは激しい虚しさと気だるさに囚われていた。何かに絡みつかれたかのように、自らの感情をコントロールできなくなるジャスティン。そして、パーティーは最悪の結末を迎える。憔悴しきったジャスティンが、クレアとジョンの邸宅を再び訪れた際、惑星メランコリアは地球に異常接近していた。地球との衝突を恐れて怯えるクレア。しかし、ジャスティンはなぜか心が軽くなっていく感覚を覚える。彼女には全てがわかっていたのだ。そして、メランコリアが地球に最も接近する夜、ジャスティンはクレアたちと共に、その瞬間が訪れるのを待ち構えていた。それは「世界の終わり」が訪れるかもしれない瞬間--。


感想。
映像は綺麗でした。
世界観も独特で哲学的で(まぁ題名自体が「鬱な精神状態」ですからね)、きっと好きな人はとことんはまるだろう作品……なんですが、私にはどうも合いませんでした。

作品は2部構成になっており、妹ジャスティンと姉クレア。惑星が地球に衝突するまでの2人の姉妹のそれぞれの精神状態や考え方の対比が面白いと思います。
大勢の人間が居る街中ではなくて孤立した山の上の豪邸で何の喧噪も無くパニックを煽る報道も無く、政府がどうとか対策がどうとかそういう話は一切出てこず、淡々と、でも狂気に満ちた自分なりの最期を迎える人達を独特の手法で描いていってる…のですが、やっぱりうん私には合わない。
評価が高いので、期待してたんですが、そっち系だったんですね。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督ですもんね。個性的過ぎて、好き嫌いが激しく分かれる監督さん。私は駄目だった(;´Д`)

第一部の妹ジャスティンの幕では、異常なまでのマリッジブルーで鬱状態になってるジャスティンの、ただただ苛々来る異常行動が本当まじでうざかったのですが、その鬱状態がマリッジブルーから来るのではなくて、今まで太陽の裏に隠れていた謎の惑星が軌道を外れて地球へと向かってくるからだったんですね。
物凄く感受性豊かな女性なのか、その惑星が政府の発表のように地球のすぐ脇を通過していくのではなくて衝突することを感じ取っているようでした。
その為の「もうお終いよ」っていう精神状態を表現したかったんだろうけれど、余りに披露宴の招待客に対して失礼過ぎて、物凄く苛立ちましたわ。私が招待客だったら完全に途中で帰ってるw
しかもお金と場所を提供したのは本人と花婿じゃなくて、姉クレアのお金持ちの旦那ジョンだし。
このジャスティンの父も母も頭のおかしい連中ばかりで、ジョン憤慨しまくり。
これは「惑星が衝突しそう」だからおかしいのか、元々頭がおかしい家族なのかどっちだよ(´・ω・`)
最後にはジャスティンは他の男と庭でセクロスしちゃうわ、花婿マイケルはなんか色々失望して帰っちゃうわ。
花婿マイケル可哀想。なんだ、ジャスティンの最後の思い出作りを手伝わされただけなのかよ?
黙々とキチガイ連中の世話をしている執事が( TДT)…執事って大変ね。
ともかく、この第一部で完全に疲れましたわ私orz
向かないよ、この手の作品…

そして第二部、姉クレアの幕。
彼女は冷静なようで、静かにおかしくなっていってますね。
明らかに清々しいまでにぶっ壊れていくジャスティンとは対称的で面白い。
最後の最後まで「惑星はぶつからないさ逸れていくさ~」と淡い期待をしていた夫ジョンが、絶望感に耐えきれずに息子レオと妻クレアを残して、馬小屋で服毒自殺しちゃうし。
どうせ死ぬんだから、自殺しなくても…と思ったけれど、その辺の精神的なプレッシャーに耐えきれなかったのかな。
最後はクレアとジャスティンとレオで手を握り合って「その時」を迎えるのですが、そこまで来ちゃうと冷静に戻ってますね、2人とも。
間際まで来ると、こういう行動を取るのかな?それともジョンのように現実に耐えきれなくて逃げちゃうのかな?
私はどうするんだろうか。
ちなみに献身的だった執事は、途中から出勤してこなくなりました。多分最期を家族と過ごしたかったんだろうと。
ジャスティンの花婿マイケルも、本当は最期をジャスティンと過ごしたくて結婚式を挙げたんだろうに…うーむ(´・ω・)

多分、人類が滅亡する等というとてつもない絶望的な状況と分かったときに、どういう精神状態になるか…てのを表現したかった……んだろうとは思いますが、私はこういう「メンタル的」な作品は苦手なので…、良い評価は個人的には出来ません。
好き嫌いと言えば、嫌いの分類かな。客観的に観れば、良い作品だとは思いますよ。
ただ好みの問題なだけで。
哲学的な作品をお望みの方は是非、ご覧になってくださいまし。評価は高いので、失敗は無いと思います。
娯楽作をお望みの方は、避けた方が良いと思いますw