攻め:渡辺徹(わたなべ とおる)
へたれで、恋愛経験が少ない。付き合ってた女の子は全員肉食系。
容姿は爽やか系イケメン。高2
受け:三紀蒼汰(みき そうた)
手を出して来ないことにイライラ。
ずっと待っている。結構乙女。
容姿は男前でパツキン。高2
二人は付き合っている設定。
言葉を
あいつはいつも手を出して来ない。
ベタな感じで目を閉じてみても、
生クリームを顔につけたり、上目遣いで
見上げてみたりもした。
正直、めちゃくちゃ恥ずかしかった。
(なのに、なんであいつは手を出さない!?)
「三紀ー、一緒にご飯食べないか?」
昼休み、渡辺が話かけてきた。まぁ、
いつも一緒に食ってるしな。
「おう!屋上行こうぜ」
「そうするか」
俺は今日、最終手段を取ろうと思ってる。
もうこれしか俺の小っせぇ頭は
出て来なかったんだ。仕方無いだろ。
******
「あ、渡辺そのパンなんだ?」
俺は渡辺の食ってるパンに目をやった。
渡辺は少し微笑みながら顔をこちらに向けた。
「中に苺ジャムと生クリーム入ってるやつ。美味いよ」
「ん。」
何も言わないでじっと渡辺を見つめる。
顔が熱い。
流石のお前も気付くだろ。
「…えっ、う、欲しいのか?」
そうだよ!欲しい!
「んじゃ、あ、げるっ」
きたきたっ、俺はお前から行動してくれる
のを……って、ん?
ぽんっと手のひらに置かれたのは、さっき
渡辺が食ってた菓子パン。
「………」
それが分かった瞬間、俺は何舞い上がってたんだと、かぶりを振った。
と、同時に悲しくなった。
そんなに魅力がないか俺は。そりゃあ、
女の子みたいにふわふわなんかしてねぇよ。可愛げなんか一つもないし、
口調もこんなだし。そうだよな。
「っ三紀?お前、泣いて、」
「泣いて、ね…。ほっとけばいいだろっ」
渡辺から目を反らす。体も渡辺とは反対側を向いて唇を噛む。
情けない…。乙女かっ!女女しいだろ、
泣くな。つかっ、泣いてねぇ。
本当に渡辺は俺のことを好いているのか。
それだけが、脳裏をよぎる。
(そういえば、告白も俺からだったっけ)
考える度、渡辺が俺に感情を言ってきたことが無いことに改めて気づかされる。
デートも俺からだ。委員会に入るのも。
本当は俺のこと…。
「三紀っ、俺、どうしたらいいのか
分からない。お前がして欲しいことは、
分からない訳じゃ、無いんだ…」
俺は振り返った。
「でも、分かってても出来ないんだ。」
「なんで、だよっ?」
「正直な話、三紀には、その…
…幸せ、になって欲しくて!
でも、俺には自信が無い、無いんだっ」
そんなの、
「そんなの、俺もねーよっ、ばか!」
俺の口からは、次々に言葉が溢れる。
「俺だって自信なんか、なくて
お前に好かれてるか、なんて考える馬鹿だしっ、どれだけ笑わせてやれてるか…とか、分かってないんだ…」
…でも一緒に居たい
「…でも一緒に居たい、わたな」
すると一瞬、ふわりと自分の髪が揺れる。
何か固い何かが顔に当たっている。
「わたな、べ…?」
それが何か分かった瞬間、ぶわっと
涙が溢れでた。
「は、はは…出来ちゃった、」
俺は渡辺に抱きしめられたのだ。
近くで聞こえる渡辺の声、柔らかい匂いに
俺は改めて実感した。
「三紀、す、きだ。好き、好きっ」
「っ渡辺!…俺、も」
好き
