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「現場は智に任せる」


「ああ」


「今動かせる人員を集めて

この場所に向かわせる。

智、単独で動くなよ?」


「分かってる」




和也のGPSが示す場所へ

車を走らせながら

イヤホンを通して事情を聴く。


「犯人の心当たりは?」


『職業柄、恨まれる事もあるから

心当たりがないと断言できないけど、』


「けど?」


『目的は恐らく・・・

能力者の獲得』


「・・・!!

何かあれば警告が鳴るGPSは正常で

生命に危険が及んでいないことを示してる。

身代金目当てではないのに生かしておく理由」


『考えたんですが、

やはりこれが一番濃厚かと』


「・・・相手は犯罪組織かもしれないって事か」


『はい』


現時点で和也に頼んでる事件はない。

連続して起こってる事件もない。

そもそも和也の存在は極秘だ。


なんだ?一体誰に襲われたんだ?


ハンドルを握る手に汗が滲む。


『智、焦るなよ。

頼むから、援護を待ってろ』


「ああ、分かってる」


翔の言う通り、焦りは禁物だ。

和也をより危険にさせる。

腹が立つ。

俺自身に。


今はもう

無事であってくれと

ただ願うしかなかった。