── ヒトとカミが共存する世界 。

麒麟が治めるこの世。

その血を分け与えられた四獣が

東西南北を守護している。

ある時から、

麒麟は姿を消した・・・


従者×カミのお話。


‎​*ஜ۞ஜ*เหจวเข ‎​*ஜ۩ஜ* เหจวเข











─── ヒトとカミが共存する世界。



【麒麟】が治めるこの世は
その血を受け継ぐ四獣が
東方を【青龍】、
西方を【白虎】、
南方を【朱雀】、
北方を【玄武】が守護し治めている。

四獣とはいうが
その姿は人と変わらない。
ただその身体に流れる血が
異なるだけ。

俺は代々【玄武】に仕える
従者の家に産まれた。

俺の仕事は
朝が弱い主人を起こすことから
始まる。




「玄武様、起きて下さい」


部屋のカーテンを開けながら
声をかける。
これだけでは起きないと
分かっているが
機嫌を少しでも良くする為だ。

「・・・・・・」

反応なし。
まあいつもの事。
というか、血のせいでもある。
【玄武】の季は闇の方位冬で
刻は夜。
歴代の玄武様も皆
朝は弱かったそうだ。

「玄武様、そろそろ
青龍様が来られますよ?」

青龍、その響きに瞼がピクリとする。
ゆっくりと開かれていき
水の神たるように
水分量の多く黒目がちな瞳が
こちらを見つめる。

「おはようございます、玄武様」

「・・・智」

少し掠れた声で呼ばれる。
ご機嫌斜めなようだ。
その理由も分かっている。
2人でいる時のルールを違反したから。

その''ルール''とは
2人の時は
敬語を使わず、
本当の名<和也>で呼ぶ
こと。

「おはよう、和也」

感情が分かりにくい彼が
どこか満足そうに俺へ手を伸ばす。
首元にその手を絡ませ
抱き起こす。
肩にこてんと僅かな重みがかかる。

「寝るなよ?」

「・・・うん」

一瞬寝てたのだろう
返事までしばらく間があった。
まあこれもいつも通りで。

「朝食、食べれるか?」

「いらない」

断るだろう、と思っていたが
俺の後ろの方を、先程から
じっと見つめているのが気になる。

「どうした?」

「きt・・・」

「げーんぶー♪おはよーー!」

来た、と和也が言い終える前に
部屋の扉がバーンっと開く。
青龍様だ。