※蓮さん、和子さんからタグお借りしてます。


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『はやく40になれ〜』



あの人は僕が38になった時

そう言った。

ねぇ40になったら

なにか、変わっちゃうの?





出会った時から

ずっと前から

知っていたような気がする

あなた。


言わなくてもわかる。

そんな僕たちだからこそ

恋人同士だし

もっと何でも話せる関係に

なっていきたいんだ。


けど、最近、


「悪い、アトリエに居るから」

ってアトリエに籠りがちで

ちょっと・・・寂しい。

いや、嘘。

ちょっと、なんかじゃなくて

寂しい。

ものすっっっごく

寂しい。


あなたは、寂しくないの?


なんて

思うけど

言いたくない。

そんなめんどくさい奴に

なりたくないもん。



あんなに籠って何作ってんのかな。


「智?開けてもいい?」

「ああ、ちょっと待って」

少し待ってたら

「ん、どうした?」


扉が開く。

油絵具の匂い。

アトリエから出た時の

あなたからよくする匂いだ。


「カズ?」

「ぁ、休憩、しない?」

「ああ、もうこんな時間だったのか。

んふふっありがとな」


頭をぽんぽんとして

ぺたぺたと

少し猫背で歩いていく。


風が背中を押す。

風は僅かに開いてる扉から。

いつもはそんな気にならないのに

どうしてか

その扉の先が気になった。


扉に手を伸ばす。

「だめ」

後ろか抱きしめ

僕の手より先に扉を閉めてしまう。


「なん、んぅ・・・///」

なんで?


言い終わる前に唇を塞がれる。


「足元にも道具出してっから。だめ」


何か隠してる。

出したままになんて

どれだけ忙しくても

した事ない。


見せたくないもの、でもあるの?


「・・・・・・」

じっと見つめる僕に

もう一度キスをする。

踏み込んで欲しくない、と

言われたみたいだった。


「・・・なに、飲む?コーヒー?お茶?」

「コーヒー」

「わかった。待ってて」

「ぅん。」

いつか話してくれると信じて、

キッチンへ向かった。