天才化学者 × 研究員。
『''僕''を支配できるのは''僕''だけだ』
人は
ノーマル(N)、フィジカル(P)、
ブラッド(B)、インテリジェンス(I)
この4タイプに分けられる世界
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この世界で人は
ノーマル(N)、フィジカル(P)、
ブラッド(B)、インテリジェンス(I)
の4タイプに分けられる ────
ノーマル(Normal)はその名の通り、
全てにおいて普通。
人類の半数以上はこのタイプ。
フィジカル(Physical)は、
身体的に優れ、
大体のスポーツ選手がこのタイプ。
インテリジェンス(Intelligence)は、
知能が優秀で
政治・経済・医療・化学関係がこのタイプ。
ブラッド(Blood)は、
特殊な血液型を持ち病気や怪我に強い。
その為、政府機関の研究施設《特区》に
入居する事が義務付けられている。
血液を提供する見返りに、
不自由のない暮らしが保証される。
俺のタイプはN。
だけど、超エリートだらけの特区で
何故か助手をしている。
ダメ元で受けた採用試験で
合格してしまったからだ。
助手だからと覚悟はしてたけど、
「いや、仕事量えぐ・・・」
「だなぁー」
「さすがに帰りたい」
「恋人に逃げられる」
「「それなぁー」」
データ処理をしながら
同じ助手の雅紀と話していると
教授からお声がかかる。
「君はタイプNだが、優秀すぎる。
わたしの専属助手にならないか?」
「ぇ・・・」
''専属助手''は
助手の中でも最高クラス。
(将来有望じゃん。でもな・・・)
教授は、利益を考える俺の腰を撫でてくる。
そう、専属助手 = 愛人または恋人
の場合が多いのだ。
「すみません、お断りします。」
腰に回る手を払い、部屋を出た。
いくら将来有望だと言われても、
(無理なものはムリ。)
「にのっ!!お前何したんだよ?」
「え?」
翌朝、研究室に向かう廊下で雅紀に尋ねられる。
雅紀が指差す貼り紙を見る。
『二宮和也 電子医療科への移動を命ずる。』
(なるほど。早速嫌がらせ・・・)
電子医療科はIタイプの助手でも、
定着率が低い科。
(やってくれるな、あの髭オヤジ・・・)
「にの、辞めんなよ?」
心配そうに俺の顔を覗き込む雅紀。
「ふふふ」
「に、にの・・・?」
「大丈夫。思い通りになんてさせないから」
続