前回


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「ん・・・和也?」



昨夜、


腕の中に抱きしめて寝たはずなのに、


いない。


ダメもとで反対側を見てみるが、


やっぱりいない。


和也の雪肌に刻んだ白粉彫りは


数日前に終わり、


あとは腫れが引くのを待つだけだった。


昨日は痛みがない様子で、熱もなかった。


和也が俺より先に起きている。


熱が出たんじゃないか?痛みで起きたのか?


心配で頭の中は和也の事でいっぱいだ。


ベッドから出ると


スっとした冷たい風に身が震える。


「さむ・・・」


息は白くならないけど、


冬がはじまる気配だ。


とりあえず向かったトイレに和也はいなくて、


次にリビング、キッチンと見てみるが


・・・いない。


ドクンと心臓が鳴る。


「そんなわけ、ないよな・・・?」


和也が俺の前から


''また居なくなる''


脳裏に浮かんだ最悪を振り払う。


でも、心臓は速いままだ。


あと確認してないのは


洗面所と風呂場だけ。


頼むから、いてくれ・・・


そう思いながら扉を開けた。