前回


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「「♪Happy birthday to you〜〜♪」」



まさか、


この為にハワイに呼ばれてるなんて


思わなかった。


というか、


クランクアップは


俺がハワイに着く数時間前にしてたらしい。


そうなる様に監督含め、


ハワイに残ってる皆で


計画&計算していたようだ。



「・・・っ」


嬉しい。


「ありがとう、ございます・・・っ」


この言葉に想いを込めた。








皆、かなりお酒が進み、


いい感じに酔っ払った頃。


松本が離れた隙に、


カズをテラスへ連れだした。


夜風が気持ちいい。


空は満天の星で、


日本とは違い


静かで穏やかな空間。


隣にいるカズは空を見上げ、


瞳を輝かせている。


普段あまり酒を飲まないカズ。


酔うと頬は紅くなり、


色気が増すから気が気じゃなかった。


松本はそれが分かってて


カズを酔わせようとしていて、


カズのマネージャーが気を利かせ


松本を連れて行ってくれたのだ。



「大丈夫か?」


「ぅん、・・・ちょっと酔った。くふふっ」



ふにゃりと笑うカズの唇を奪った。








「ん・・・」


離れる唇。


俺を見つめる瞳。


さらさらと揺れる髪。


気づけば頬にそっと触れていた。


その手に大野さんの手が重なる。


大きくて男らしいけど、


美しさもある俺の大好きな手。



「カズ、おめでとう、愛してる。

・・・・・結婚しよう」


「・・・っ」



驚きと、


嬉しさと、


戸惑いと、


俺の顔はきっと百面相だろう。


こんなにも幸せな状況なのに、


すぐに同性だから無理じゃん


って廻る思考回路が憎らしい。


それを察した大野さんは


何も云わせないよう、


もう一度俺の唇を塞ぐ。


返事すらも。



「ンんっ・・・さ、とし」


「ダメ。言わせねぇ」


「んっ・・・もぅ、yesに、決まってる」


「っ!・・・ふふっそうか。



そう呟いた大野さんは


笑ってるのに泣いていた。


その涙をぬぐい、


今度は俺からキスをした。


「カズ」と、


優しく甘く呼んで俺の手をとり、


何かをくれる。


「っ!」


今度は俺が泣いていた。


だって、


指には大野さんのシルシが


輝いていたから。









「っぁ、あ・・・ん」 


「カズ・・・カズ・・・」


もう、何度果てたかわからない。


後ろから隙間もないほど抱かれ、


智しか知らない


深いところまで攻められる。


トクトクと重なる鼓動。


雫がポタポタと滴り落ちる。



「ンんっ・・・ぁっあ」



シーツに爪をたてる。


上から包み込むように智の手が重なる。


左手には輝るシルシ。


幸せすぎてきゅっと締めつければ、


より智を感じて


そのまま快楽に飲み込まれていった。








ドラマの番宣で俺と松本、


カズが登壇することになった。


SNSはカズの初の顔だしと、


俺たちの左手のピンキーリングの


デザインの話題で盛り上がった。


でも、


メディアで真実を話すことはしない。



2人だけの秘密。



真実を知るのは俺たちだけでいいのだから・・・






fin.