前回



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大野さんが東組を抜けて2年。


貿易商を始め、


国内や国外にも忙しく飛び回っている。


俺は腕を買われて、


一緒に仕事をしている。


まぁ、


声をかけられなくても、


俺から勝手について行くつもりだったけどね。


だから、


めちゃくちゃ嬉しい。


もちろん会社も順調だ。


なんて思いながらデータを整理していたら、


大野さんのスマホに着信がくる。


一瞬和らいだ表情に、


相手は二宮さんだと察する。




二宮さんは、サイバー犯罪対策課に所属した。


組対5課で新たな任務を任されたが


自分から移動願いをしたらしい。


ほぼ内勤だから


潜入捜査官だった頃よりかなり安全だ。


部署移動の希望が通ったのは


二宮さんの上司が


事件に関わっていた事が大きいらしい。



(今日は墓参りに行くって言ってたな。)



それを思い出しつつ、


仕事も区切りがいいし、


そろそろ帰えると声をかけに


ベランダへ向かう。


「・・・ふっ。ああ。」


二宮さんが相手だとかなり愛想がいい。


そんなことを思っていると、


電話を終え大野さんが戻ってくる。


「二宮さん?」


「あ?・・・ああ。」


「ふ〜ん・・・。じゃ、帰るね。」


「チッ。ニヤニヤしてんじゃねえよ。」


「痛っ!」


少しテンションが上がってる大野さんを


ニヤニヤしながら見てたら軽く蹴られる。


「ごめんって。

・・・社長?明日、朝早いんだからね!?」


軽く謝りつつ、釘をさす。


明日から出張なのだ。


仕事''も''しっかりやって貰わないと困るからね。


「ああ。分かってる。」


そう言う大野さんに


朝6時に迎えに来ると伝え帰路についた。





潤が帰り、


たまにはちゃんと


喪服で行こうと思い着替える。


組にいた時はスーツが普段着だったから、


気にしていなかったが、俺も''カタギ''だしな。


(それらしく・・・な。)



墓地に着く。


そこには先客がいた。


「お前も来てたのか」


「っ!・・・智。」


「久しぶりの非番、だったんだろ?

・・・つめてぇな。俺とは会ってくれねぇのに」


マルには会いに来るのか?


なんて大人げなく嫉妬してしまう。


こいつがマルの事を忘れないで


いてくれる事が嬉しいのに。


「・・・そういうお前だって、マルには会うけど

俺とは・・・会ってくれないだろ。

それに、来るならさっきの電話で

言ってくれても良かっただろ」


視線を逸らし、モゴモゴというカズ。


同じように嫉妬して、


逢えないことを寂しいと


感じていることに嬉しくなる。


「悪かった」


そう言って抱きしめ、カズの唇を塞ぐ。


「んん・・・っ//や、めろよ、こんなとこで」


甘く鳴くカズを見て、


昔、マルが言っていた事を思い出す。



『喪服って不思議と唆られるんすよ』


その時はそういう世界もあるんだな


ぐらいにしか思ってなかったが、


(惚れた奴にされると確かに・・・な)


「・・・知ってるか?」


「な、にを?」


「喪服でスると・・・」


「///っ!ちょっと待て。まさかここで・・・ん///」


何も言わせないように唇を塞ぐ。


「そうしたいが、

お前が乱れる姿を見せるわけにいかねぇからな」


「////っ」


真っ赤に頬を染めるカズの手を引き、


その場を後にした。




智が指紋認証で扉を開けるのも


もどかしい。


ピーと無機質な電子音が鳴る。


お互い何も言わず部屋に入る。


廊下の明かりだけが灯る。


扉が閉じるより先に、


どちらともなく唇を重ねていた。


口内を熱い舌で犯される。


まだそれだけなのに、立っていられなくなる。


俺をそのまま押し倒し、智が俺自身に触れる。


「まだイクな」


根元を握られる。


『喪服でスるといつもより感じるらしい』


そう言っていたが、


確かにそうなのかもしれない。


スーツ姿は見慣れてるはずなのに、


喪服だと思うとなんとも言えない背徳感がある。


それに俺の後ろを解かしてる、


余裕のない智が堪らない。


その表情を見ていたい。


けど、俺も限界だった。


ネクタイを引き、「欲しい」とねだってみる。


それがゴムなしで直に俺の中を犯す。


「ああ・・・っぁ!」


そこは智が入るにはまだ不十分で、


キツい粘膜の隙間を分け突き進む強引な熱は、


苦しいぐらい気持ちいい。


「・・・熱くて、いい」


お腹のとこが熱くて、


''俺の中に智がいる''そう感じると愛おしくなる。


「カズ、お前ん中・・・堪んねぇ」


奥を突かれる度に、


喉奥で押し溜めきれない声が零れる。


「あ、だめっ・・・ン、ぁっ・・・そこ、突いちゃ」


「イイんだろ?」


そう言って攻め立てる。


ふわっと身体が浮き、


繋がったままでベッドまで運ばれる。


身体の奥が智に絡みついて、


隙間なく絞ってしまう。


たまに激しく、たまにこっちから焦れて締め付け


誘ってしまうぐらい、


やんわりと擦られてゾクゾクする。


激しく突き上げられて、


智の腰の動きに合わせていやらしい音と


ベッドが軋む音がする。


「ああぁぁっン」


耐えきれなくて果てると、


俺の中が熱く満たされる。


一度抜こうとする智を引き止める。


「明日から・・・出張、なんだろ」


「ん?ああ。」


「・・・もっと刻みつけて。智を。

・・・じゃなきゃ、浮気してやる」


そう言った瞬間ギラっと目が光り、


喉元を咬まれた。


「浮気?そんなことさせねぇ。

・・・俺でしかイけないようにしてやる。

お前が煽ったんだ・・・覚悟しろよ」


「ああ、覚悟はできてる。

お前のものになった時から。」


「ふっ。言うようになったな。・・・じゃあ遠慮なく」


口づけをして深く長く求め合う。


このまま溶け合ってしまいたい。


離れることがないように。


だって、もう、


俺の心も身体も、満たせるのは


智だけなんだから。




fin.