前回


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side O












ニノをブランケットで包み、


抱きかかえて自室に戻る。


麻酔が効き、眠っているうちに


服を脱がせ、身体を拭く。


鎖骨、胸、腹、内腿…いたる所に


ヤツが付けたキスマーク、というより


噛み跡に近いものがあり


苛立つ。


ヤツの記憶を消し去るように


痕をなぞる。


バスローブを着せ、ベッドに寝かせる。


麻酔が切れるまで


俺もベッド横のソファで休むことにした。





「ッ・・・やだ・・・たすけて・・・


その声で目が覚める。


ニノが魘されていた。


名前を呼び、目覚めさせる。



「大丈夫か?」


そう言って伸ばした手を振り払われる。


怯えたような表情に胸が痛い。


だが、まだ禁断症状は出てないようで


少しホッとする。


眠れる時に寝かせなければならない。


「・・・もう少し眠ってろ」


そう言ってニノのそばを離れる。


「っ…ぁ、ち、がう。いかないで」


後で声とドタバタと音がして慌てて振り返る。


「おい…っ!」


ニノがベッドから落ちて蹲っていた。


駆け寄り肩に触れる。


「いか、ないで・・・おね、が・・・っ」


そう言って俺の腕を掴む。


その手はやけに熱っぽい。


うわ言のように「いかないで」と涙目で繰り返す。


(熱があんのか。)


「ニノ、わかった。お前のそばに居る。」


「ほんと・・・?」


「あぁ。だから、少し眠れ。な?」


コクんと頷いたニノを抱き上げ、


ベッドに移す。



抱きついたまま


なかなか俺から離れようとしないニノ。


「大丈夫、大丈夫だから」


そう言って一定のリズムで背中を叩く。


少ししてニノの身体の力が抜ける。


眠ったニノの額に


「おやすみ」とキスをした。