俳優×小説家。

彼らの出逢いとは・・・

sakurasoraさんから頂いたネタです。

ありがとうございます飛び出すハート



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side N






部屋を掃除していて


見つけたチケット。



舞台「夜の影」。



初めてあの人を見た作品。


まだ作家として売れていない時


勉強の為、たまたま観た作品。


衝撃的だった。


脚本や演出、演者それぞれが


凄いからなんだろうけど


主人公を演じるあの人の


表情、仕草、息づかい、


全てに魅了された。


瞬きも、呼吸さえも忘れそうになった。




─── この人凄い。




最後は後ろ姿で暗転。


そのシルエットが堪らなくて。




『綺麗・・・』




そう思わず漏らしたのを


鮮明に覚えてる。


帰りの電車の中、




あの人に演じて欲しい・・・ ────




その一心で作品を書いた。


それが俺の処女作。


そして、


あの人が初めて


息を吹き込んでくれた作品


『midnight secret』





窓からの風がパラパラと


当時の原稿を捲る。




それを手に取る。



クランクアップの時


あの人と撮った写真が目に留まる。


この日から


何度も食事をして


あの作品は良かったとか


そんなたわいもない話をして。


その度、


俺は''大野 智''という


人間に惹かれていった。



最初は尊敬だった。


その感情がいつの間にか


愛情になってた。




初めて抱かれた時は


今のこの関係になるなんて


思いもしなかった。


その時はただ、


少しでもこの人と居れるなら


どんな関係でもよかった。



まさか、同じ想いを抱いていたなんてね。



「くふふっ」


「カズ」


「っぁ!・・・え、いつからそこに」


後ろから抱きしめられるまで、


気づかなかった。



「秘密・・・ふふっ」



そう悪戯っぽく笑う智に


キ スをした。



''そんなアナタも愛してる''



って気持ちを込めて・・・