島田荘司/アトポス
久しぶりの島田荘司!!!
冒頭の大部分をエリザベートバートリの話が占めていて、
話の9割はホラーサスペンス。
「えっこれちゃんと話が完結する…?」と心配になっていた頃に、
御手洗潔が登場!!!そして突然のミステリー小説に!!!
正直ラストは「えええ~~~そんなオチ?!?!?」ってなったんですけど、
えてして謎とはそういうものなのか……。
そもそもタイトルの「アトポス」自体が若干のネタバレにつながっていたんですが、
全く気付きませんでした
えええ~~~じゃあわたしもソドムの民ってことじゃん…?!
大掛かりな舞台装置は海外ならではでした。
「御手洗潔シリーズ」は、占星術と異邦の騎士しか読んだことなかったんですが、
暗闇坂も読んでみようかな!
桜庭一樹/砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない
初めて読む作家さん。
かなり砕けた話口調で書かれているので、読み始めたときは怯んだんですが
それがかえってこの作品の味になっていてよかったです。
乙一の「夏と花火と私の死体」や
小野不由美の「魔性の子」を読んだ時のような、
日本特有のじめじめしたひと夏の思い出を見せられたような、
人の走馬灯を感じたような感覚になるんです。
それと一貫して主人公の一人称で描かれているので、
不明確な部分は闇に包まれたまま話が進んでいくので
それが息苦しさにもつながっていてよかったです。
かなり人を選ぶ作品だと思うけど、これはおすすめだな~!
藻屑には今でも海のどこかを漂っていてほしい。