廊下 | カタセテロジュマン

廊下

私は廊下が好き。

長い廊下の真ん中に立つとき、合わせ鏡のちょうど間に立っている気がするの。前を見、後ろを振り返ると、ひとつ、またひとつと鏡を越えながらやってくる悪魔を、聖書を片手にして待ち構えている小市民の身勝手な素性を丸出しにしてる気がして緊張する。

そんな錯覚で遊べる長い長い廊下が好き。だから廊下の写真をつい撮ってしまうの。


意味不明でございましょうから、親切な私は以下に解説を差し上げますわ。



『鏡』(星新一『ボッコちゃん』) 

男が小さな悪魔をつかまえ、いじめてうさばらしをする。悪魔は絶対死なず、傷つけてももとどおり回復するので、男は妻とともに悪魔に針を突き刺し、ハサミで尻尾を少しずつ切り取って楽しむ。しかしある日悪魔は逃げ去り、うさばらしの対象を失った夫婦は、ののしり合い、喧嘩をして死ぬ。


もすこし詳しく


星 新一

ボッコちゃん


確か新潮の文庫で読みましたが、真鍋博 の挿絵がまた、イメージにピッタリだったのよね、私には。

こちら でちょこっとご覧いただけますわよ(『殺し屋ですのよ』風にね)。