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 ブログで「定点観測」という記事(「ベランダから見る空」という書庫に入ってます)を載せるようになってから空の写真をよく撮っている。写真の題材としては有り触れていると言うか、いささか退屈なものとして扱われているような側面もあるが、私個人としてはとても魅力的な被写体だと思っている。
 
 定点観測はその名の通り「観測」であり、記録の意味合いが強いので、芸術的な一枚を狙った写真ではない。目の前の風景を気が向いた時に同じ構図で撮っているだけだ。これといった目的もなく淡々と続けてきた定点観測だが、振り返ってみればそれなりの枚数になっていて、見返してみると結構面白かったりする。
 
 
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 何より思い知らされたのは、同じ場所の空でも季節や時間によって実に様々な表情を見せるという事だ。空の色も、雲の形も、光の差し方も様々に移ろっていく。今日と同じような空がまた見られるかもしれないし、もう二度と見られないかもしれない。そんなふうに思うとベランダに出てカメラを向けずにはいられなくなる。
 
 冬になると空気が澄んでいるせいか、より空がはっきりした色になるような気がする。星空なんかを撮っても綺麗なんだろうなと思い、実は最近、星の軌跡写真に初めて挑戦してみた。リコーの「GR DIGITAL」はインターバル撮影ができるので、ベランダに三脚を立て、オリオン座が輝く夜空を小一時間ほど撮影した。
 
 
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 ベランダでの撮影は街の明かりや構図を決めるのに色々と制約があるので、星だけを写した写真になってしまったが、自分の住んでいる街でも星の軌跡を撮る事は可能なんだとわかって何だか少し嬉しかった。星がたくさん見える場所に行って撮影したいとも思うけれど、寒さには勝てそうにないので実現は難しい。
 
 さて、上に貼り付けた三枚の写真のためにこの文章を書いてきたわけだが、これといった結論があるわけではない。こういう文章はラストにどんな一文をもってきたらいいのか迷うところだ。なので月並みな事を書いておこうと思う。
 
 空はそこにあるのが当たり前で、意識しなければそう見上げる事もない。だからこそ、というのも少し違うのかもしれないが、そこに心を惹かれるような風景を見るといつもはっとさせられる。それに気づく事ができたら、もっと日々の暮らしが豊かになると思うのだ。
 
 例えあなたが、どんなに似たような毎日を送っていたとしても。