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 本を読むなら曇りの日に限る。晴れるとどこかに出かけたくなるから。雨だと余計な事ばかり考えてしまうから。最後に読んだ小説はダン・ブラウンの『インフェルノ』だった。ラングドンシリーズは一応、全部読んでいる。宗教象徴学は面白そうな学問だ。来世で(もしそんなものがあるとして)再び大学へ進学する機会に恵まれたら象徴学を学んでみたい。
 
 ここから本の話でも書こうと思って三段落ほど書き進めたのだが、気に入らなかったので全部消してしまった。何を言いたいのかよくわからない文章だったし、特に面白くもなかった。まともな文章を書くのにはまだまだ時間が必要らしい。もっとも、今まで書いてきた文章がまともかどうかは疑問だけれど、まぁ、そういう事にしておこう。
 
 遅れてやって来た台風に気を取られてなかなか文章が前に進まない。風の音はほとんど聞こえず、やや強い雨が降り続いている。ふと、梅雨の終わりに備忘録として夜に降る雨について書いた事を思い出した。その文章が書かれた1ページをリングノートから破り、手帳に挟んでおいた。残りの段落はそれでお茶を濁してしまおう。
 
 
 2014年6月28日(土) 備忘録
 
 夜に降る雨が好きだ。
 
 今年の梅雨は、昼間よりも日が落ちてから雨が降る事が多かったように思う。夕食を済ませ、テレビを眺めてボーっとしていると、雨音がしている事に気づく。カーテンの隙間から窓の外を見ると、アスファルトの地面が雨水で光っている。夜というのは不思議だ。闇が何もかもを飲み込んでしまうのに、時々、意外なほど何かを魅力的に変える。
 
 出来ればテレビを消して、暖かみのある小さな明かりだけがあるといい。本のページ捲る手元だけを照らすような明かりが。雨が降ると気温が下がり、ひんやりとした風が心地良い。雨音が次第に弱くなってきた。夜に一人取り残されるようだ。あと数時間で明日が来るなんて、信じられない。
 
 
 備忘録の文章はここで終わっていた。もう、この紙切れは捨ててしまおう。結局、何が言いたいのかよくわからない文章になってしまったけれど、まぁ、それはそれで良しとしたい。