名古屋市美術館で開催されている「大エルミタージュ美術館展」の後編です。展示作品の中で特に魅了された5点のうち、残りの3点を紹介していきたいと思います。
 
 
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『洞窟のマグダラのマリア』 1876年頃

ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル(Jules Joseph Lefebvre)作
 
 
  マグダラのマリアを描いた絵画は他にもいくつか見たことがありますが、これほど大胆なヌードのマリアを見たのは初めてかもしれません。イエス・キリストに付き従い、聖人であるマグダラのマリアですが、一方ではルカの福音書に登場する「罪深い女(娼婦という意味もある)」と同一視されているという側面もあるようです。
 
 岩に上半身を乗せ、地面に横たわる官能的で美しい裸体。左腕で顔の下半分が隠れているので表情はよくわかりませんが、その目はこちらを見返しているように見えます。顔をよく観ようと絵に近づいてみると、その眼差にぞくっとさせられました。実際、目はうっすらと開いているぐらいなんですが、それが余計に意味深な雰囲気を漂わせているように感じました。
 
 
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『女帝マリア・アレクサンドロヴナの肖像』 1857年

フランツ・クサファー・ヴィンターハルター(Franz Xaver Winterhalter)作
 
 
  「絵画史上、最も美しい女性は誰か?」と問われたら、みなさんは誰の絵が思い浮かぶでしょうか。私の場合はフェルメールの描いた『真珠の耳飾りの少女』が思い浮かぶのですが、このマリア・アレクサンドロヴナはそれに匹敵するくらいの美人でした。
 
 『真珠の耳飾りの少女』にモデルがいたかどうかは謎ですが、実在したマリア・アレクサンドロヴナは実際にすごく綺麗な人だったんじゃないかと思います(あくまで希望的観測)。絵画表現としての美しさなのか、彼女本来が持つ美しさなのかよくわかりませんが、光を纏った真珠とレースをふんだんに使った白いドレスを着た彼女の姿に、ただただ見惚れてしまいました。
 
 
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『グランヴィル近郊の眺め』 1833年

テオドール・ルソー(Theodore Rousseau)作
 
 
 今回の展覧会の中である意味、最も衝撃的だった一枚です。バルビゾン派を代表する画家、テオドール・ルソー。彼の名前と主に風景画を描いていたことなどは知っていましたが、その絵をじっくり観たことはありませんでした。代表作が何なのかも知らなかったぐらいです。
 
 『グランヴィル近郊の眺め』は一見、地味な風景画に見えるかもしれません。でも、自然の描写が半端じゃないです。結構大きな絵(85×165)なのですが、本当によく描き込まれています。絵を近くで観ている時、心の中で何度も「すごい! すご過ぎる!」と叫んでいました(笑)木々の騒めきも土の匂いも伝わってくるような一枚でした。この絵が彼の作品の中でどれくらいの位置にあるものなのかはわかりませんが、ルソーに興味を持つには十分過ぎるほどの絵だったと思います。
 
 
 以上で「大エルミタージュ美術館展」の記事はおしまいです。他にもヘダやライスダール、コローなど、一度は実物を観てみたいと思っていた画家の作品を名古屋で観られて幸せでした。素人の感想文なので参考にはならないかもしれませんが、少しでも絵の魅力が伝われば幸いです。
 
 名古屋市美術館では9月30日まで開催されているので、チャンスがあればもう一度観に行きたいとなぁと思っています。10月からは京都市美術館でも展覧会が開催されるようなので、興味のある方はぜひ足を運んでみて下さい^^