
寝苦しい夜が続いている。
クーラーを数時間後に切れるようセットして眠りにつく。そこまでは問題ない。しかしクーラーが切れると、窓を締め切った部屋には徐々に熱気が籠り、早朝に目が覚めてしまう。私は仕方なく起き上がってキッチンに行き、氷を入れた水をグラスに半分だけ飲む。部屋の窓を開け、今度は扇風機をつけて再び眠る。そこからは浅い眠りしか訪れない。現実と夢の間を何回か行き来すると、もう目覚める時間になっている。
時々、これは現実だと思って夢を見ている時がある。その夢があまりにもリアルだとか、日常的だとかそういうことではなくて、背景は靄がかかったようにぼやけ、日常とはあまりにかけ離れたことが起こっているのに、私はそれが現実だと信じている時がある。夢から覚め、何だ、あれは夢だったのかと思って起きたはずなのに、まだ自分は夢の中にいる事があって、私は混乱する。
つまり、夢から覚める瞬間の夢を何度も繰り返し見ているのだ。私は何とか夢から抜けださなくてはと思い体を起こそうとするが、手足の自由が利かない。声も出せない。段々、焦りが出てくる。一度心を落ち着かせ、改めて状況を把握しようとする。頭が起きているのに、体が目覚めを拒否している。ただそれだけのことだ。私は冷静になろうと努める。
体が目覚めを拒否しているのなら、いっそこのまま眠ったままでいようか。今、どうしても起きなければいけないというわけでもない。しかし一方で、今起きなければ自分は永遠に夢から覚めることができないかもしれないと怖くなる。私は必死でそこから抜け出そうとする。無理矢理に体を起こそうとするが、上手くいかない。体が重い。景色が歪む。嫌だ、もうこれ以上ここには居たくない。居たくない。居たくない ―――――。
そして唐突に、私は現実へ引き戻される。頭がぼんやりとしているが、これが夢ではないということはわかる。また眠りに捕らわれないようにと、鈍い頭痛を堪えて強引に体を起こす。手足が動く。声も出る。あぁ、やっと夢から解放された、と私は安堵する。
自分がどうしてそんな夢を見るのかということはあまり考えない。数分後にはもうそのことを忘れている。そこに深い意味があろうとなかろうと、ただの夢だ。不確かなものに対して必要以上に不安がることはない。
前からこの夢のことをきちんと書き留めておこうと思ってはいた。でも、わざわざブログに載せることでもなかったと少し後悔している。夢の話というのは大抵の場合、退屈だ。もちろんそうでない場合もあるけれど。もしもまたこういう夢を見ることがあったら、今度はそのまま眠り続けてみようかと思う。ただ同じ夢が繰り返されるのか、その先にもっと違う世界があるのか。その時は退屈な話ではなく、もっと面白い話が書けるかもしれない。
夢から覚めることができればの話だが。