頤和園には東の楽寿堂の邀月門から万寿山西端の石丈亭まで続く全長728メートル、273間の回廊がある。中国の回廊建築の中でも最長、最大を誇る。


長廊の柱の梁の上には絵描かれている。乾隆帝が宮廷絵師を杭州に派遣し西湖の風景を写生させ、それを長廊に描かせたのが始まり。その後、花鳥画や神話、文学、歴史の一節を描いた絵が追加され現在に至っている。三国志や西遊記などを題材とした、日本人にも楽しめる内容の絵もある。

湖水面積220万平方メートル、水深1.5~3m の広大な人口湖・昆明湖。


昆明湖を掘った土で作った海抜約60m の築山である万寿山の頂上に立つ“仏香閣(ぶっこうかく)”。高さ41m、八角形の華麗な塔だ。

万寿山の麓にある“排雲殿(はいうんでん)”。西太后の誕生日の祝いが行われた場所である。写真はその前にある排雲門。鮮やかな色彩が一際目を引く。


昆明湖の湖岸に浮かぶ石の船“清晏舫(せいあんぼう)”。全長36m、水が動いても動かない石の船は、皇帝権力の強大さを象徴していると言われている。西太后が再建した際、上部を木造2階建てにし、ヨーロッパスタイルの船楼に立て替えた。

頤和園は水辺の少ない北京の皇帝達が憧れた江南の風景が演出されているという。美しい景色、長い回廊、木々は光に煌き、湖の周りは歩いていて気持ちのいい場所だ。今まで紹介した5つのスポットのうち、天安門広場を除く4つが世界遺産に登録されている。