夕暮れの街を抜けて、バスはレオナルド・ダ・ヴィンチ空港へと向かう。

空港にはレオナルド・ダ・ヴィンチの大きな像があり、片手を挙げたその姿はイタリアを離れる人々に手を振っているようだ。

空港内にあるカフェ。“GOOD BYE ROMA”。


体は疲れていたし、空港でのウインドー・ショッピングショッピングにも飽きてしまった。椅子に体を預けて、ぼんやりと空を見つめていると、気持ちはもうイタリアではなく日本にあった。イタリアの街を見ているのは好きだったが、料理は日本食が恋しくなっていたし、生まれてからずっと暮らしている国に帰りたいという気持ちになった。
イタリアに一度は行ってみたいと思っていた。今回の旅行でイタリアという国を好きになった。少しだけだが言葉も覚えた。日本に帰ってすぐ、イタリアを思い出すことはないかもしれない。しかし、たぶんこれからも、イタリアについての興味が消えることはないような気がする。たった一回の旅で満足できるようなものではない。帰ってくるところは日本でも、いつかもう一度行ってみたい。
飛行機に乗ってシートを倒し、小さな窓の外を見た。コンクリートの地面、点々と灯りが見える。機内アナウンスが流れて、飛行機は動き出す。テイクオフの振動が体に伝わってくる。私はゆっくりと目を閉じた。帰りの12時間はあっという間に過ぎるだろう。
“Arrivederci, Italia! Ci vediamo.”
さようなら、イタリア! また会いましょう。