イタリア美術の膨大なコレクションを誇るヴァチカン博物館(Musei Vatican)。ヴァチカンの教皇ユリウス3世がベルヴェデーレ宮殿の中庭に古代ギリシアの彫刻群を置いたことがコレクションのきっかけと言われている。
展示室は20以上ものエリアに分けられ、見学ルートは全長7キロメートルにもおよぶ。とても1日では回りきれない。私も代表的なものしか見学しなかったが、それでもかなりのボリュームだった。写真撮影は可能(フラッシュは禁止)だったので、写真もたくさん撮った。ここでは館内の様子を中心に紹介。まずは博物館の入り口から。


エントランスは近代的な雰囲気。

“ビーニャの中庭”にあるブロンズ製の巨大な松ぼっくり。1、2世紀に作られたローマ時代の噴水で、8世紀の末から旧サン・ピエトロ大聖堂の前庭の中央に置かれていたもの。

球体のモニュメントが置かれている“ベルヴェデーレの通廊”。ブラマンテの製作によるもので、原型をとどめている唯一の箇所である。同じくビーニャの中庭に面している。

“ピオ・クレメンティーノ美術館”にある“ラオコーン”の彫刻。ラオコーンとはトロイの神官の名で、木馬をトロイ城内に入れることに反対したかどで、女神アテナから恐ろしい刑罰を受けた様子を表している。

同じ美術館内にある“ベルヴェデーレのトルソ”。クレメンス7世によりベルヴェデーレに運ばれたもので、ミケランジェロがこのトルソを熱心に研究していた。伝統的にヘラクレス像とされてきたものの、正確には誰の像なのか不明。

彫刻のように立体的に見えるが、実はだまし絵の天井画。白く浮き上がっている部分はまるでカメオのよう。

“署名の間”にある“アテネの学堂”ラファエロの作。「理性の真理」を表し、古代ギリシアの哲学者や科学者たちが議論しながら集う場面が描かれている。中央にいるのはアリストテレス(右側)とプラトン(左側)。プラトンはレオナルド・ダ・ヴィンチがモデルになっている。この絵を見ていたら、高校の時、倫理の教科書の表紙に描かれていたのを思い出した。



“ピエタ”ミケランジェロ作のレプリカ。サン・ピエトロ大聖堂でも写真を撮ったのだが、光の加減でうまく写せなかった。ミケランジェロはこの作品を完成させるために1498年から2年以上の歳月を費やしたと言われている。


“絵画館”の最後から2番目の部屋には石膏のモデルが並べられている。これらはベルニーニが、サン・ピエトロ大聖堂の“栄光の司教座”で教会博士と天使を製作するのに使用したものである。


1階と2階をつなぐ2重のらせん階段。行きは上らなかったので、帰りはこの階段で下りてみた。

上の写真はヴァチカン博物館のチケット。ここでもう一つ、有名な“最後の審判”や“アダムの創造”も見学したのだが、それらがある“システィーナ礼拝堂”は撮影禁止だったので、写真はない。しかしそれはあまりにも大きく、言葉にできないくらい素晴らしく、私がうまく写真に撮れるようなものではなかった。実際に見ることができて本当に良かったと思う壁画と天井画だった。
ヴァチカン博物館を出たら、もう決められた予定はない。気ままに、多少道に迷いながら、ローマを歩く。