イタリアへの旅は12時間のフライトから始まる。
旅の始まりはいつも心が躍る。搭乗までの長い待ち時間も私はそう苦痛ではない。これから日本を離れ、少しずついつもの日常が薄れていく感覚が好きだ。ゆっくりとコーヒーを飲みながら、飛行機を眺め、フライトまでの時間を過ごす。



ヨーロッパへ旅行するのは今回が初めてだった。10時間以上、飛行機に乗るのも初めてのこと。昼に日本を出発し、イタリアとの時差は-8時間なのでその日の夕方に現地に到着する。閉塞された空間で、長時間のフライトを考えるとうんざりするが、時折、窓の外に現れる風景に目を奪われる。


雪が残る山々。

太陽が沈んでいく。
知らない国を訪れるという期待と不安。その旅が用意されたツアーであっても、いつもと違う空気に触れられるという高揚感は変わらない。短い期間での駆け足の旅だったが、私がイタリアで見たもの、感じたこと、極めて個人的な視点ではあるが、そういうものをここで書いていきたいと思う。
映画を何本か観て、機内食を口に運び、浅い眠りから覚めた頃、イタリアに到着した。
最初の都市はミラノ。マルペンサ空港を出ると、雪が積もっていた。