何を書いたらいいのかよく分からないところなのですが、最初は最も好きな小説について書こうと思います。
高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」は3年前に読んだのですが、未だに「個人的好きな小説ランキング」一位の座を守り続けています。
これはすごく風変わりな小説で、小説というより、ほとんど詩に近いです。
自分の名前に殺される人とか、「あばれどくくらげ」とか、冷蔵庫に化けたヴェルギリウスとか、トーマス・マンの短編集を欲しがる犬とか、そんな感じです。
小説の形をとった現代詩批評として読めるらしいのですが、僕としてはユニークで美しい文章と、荒唐無稽でありながらどこか叙情的な雰囲気が好きです。
そして何より、こうしたスタイルを取りながらも色濃く伝わってくる、作者の言葉に対する苦悩と真剣さにつよく惹かれました(こうした読み方はあまり正しいとは言えないかもしれませんが)。
最後の方は何故か泣きながら読んでました。
「小説を読んで、心の底から感動する」という体験を初めて味わわせてくれた小説です。