学校でヒルマが育てているミニトマトの芽が出ません。
植物にも個性があって、たまたまのんびりタイプの種がヒルマに渡されたのかもしれません。
そのうち出てくるよとはげましていたのですが、先日見てしまったのです……クラスメイトの鉢が、双葉の緑で埋め尽くされている様を──。
ヒルマだけ種を植え忘れたのでは? と疑いましたが、土を入れて種をまいたことは判明。あと、足りないとすれば──
「オレ、いつ水やりすればいいのか、わかんないんだ……」
やっぱり、水でした。朝は? 休み時間は? 昼休みは?
帰りは? お友だちはいつ水やりしてるの?
質問攻めにならないように気を配りながら事情聴取を終えると、わたしは重たい気持ちで連絡帳をひらきました。
「お世話になっております。ミニトマトの水やりを、いつやればいいのかわからず困っているようです。先週は一度も水をやれなかったそうです。
朝は宿題の答えあわせが、昼は係の仕事があって、忘れてしまうようです。お友だちの様子にも気づかず、まわりの子たちがいつ水をあげているのかわからないと言っています。
朝や休み時間など、タイミングの良いときに、『いま水をあげてきてください』等、声をかけて頂けないでしょうか。」
こんなことで──と、わたしなら思います(笑)
でもこれがうちの子なんだなあ。
その後の様子はまたのちほど。
