そんなことして死んじゃったらお母さんと二度と会えなくなるんだからね!
死んだらもうお話できないし、すごくかなしくて毎日泣いちゃうよ!!
いきおいにまかせて怒鳴り散らしたあとで、しまったと思う。
あの日の津波だって突然だったのです。
もしもわたしが・・・
もしもお母さんが死んでしまっても大丈夫だからね。
お母さんはお星さまになって、いつもヒルマのこと守ってあげるからね。
そんなことを言って、またしまったと思う。
わたしは授業参観に来る母親が、小学校の玄関で保護者用スリッパを迷うことなく探せるだろうかと前日からひそかに心配しているような子どもで、
親がいつかは死ぬのだと気づいた夜には恐ろしくて震えていました。
まだまだ死なないよ~!
実母のように笑いとばすのが正解だったのかもしれません。
ぐるぐるとそんなことを考えていると、ヒルマが言いました。
「おかあさん、どうやって星になるの!?
星になるほうほう、しってるの!?」
わたしたちは周囲から見たら過保護のような、子どもの機嫌を伺ってまるで怖がっているかのように映るのかもしれません。
たしかにわたしは怖いのです。自分自身が。
もしも怒りがてっぺんを突き抜けてしまったら─
言われてみれば星になる方法など知りませんでした。
ため息ばかり。
