田中さんは、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会
の代表をされています。
フォーラムの中でも、また別の小児医療の講座でも、いつも出る話があります。
それは、ヒブと肺炎球菌のワクチンが定期化されたから、生後3〜4ヶ月のお熱でも、ヒブと肺炎球菌の接種をしている子は、まず、そこを確認して、いったん安心できる、という話です。
ヒブと肺炎球菌が定期になってから、このくらいの月齢の子が夜間救急に頻繁に来ることはなくなったよ、と。
サラッと先生方はおっしゃいますが、毎回聴く話です。
つまり、ヒブも肺炎球菌も定期接種では
なかった時代は、細菌性髄膜炎になって
しまう子がたくさんいて、後遺症が残る
子も亡くなってしまう子もたくさんいて、小児科の先生方もその対応に追われていた、のです。
アジア・アフリカを含む100カ国以上で導入され、WHOの推奨により 179ヶ国で定期接種になっています。
米国では1987年にワクチンが認可されて以来Hib感染症の罹患率は 100分の1に減少、1990年には定期接種となり標準スケジュールで生後2・4・6ヶ月および12~15ヶ月に接種され、イギリスでも1998年には5歳未満人口の 10万人あたり0.6人に まで減少したと報告されています。(細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会のHPより)
日本でも、定期化されて以降、細菌性髄膜炎が激減したことは、とても有名です。
長男が生まれたばかりの13年前はまだなかったので、日本国内で毎年約700〜800人近くが罹患していると聞いていました。
(↑すみません、!!!は、嬉しくて私が記事に足しました。)
簡単に定期化と言いますが、田中さんを
はじめとしたこの守る会のメンバーの皆様や小児科の先生方による、
細菌性髄膜炎で命を落とす子がいなくなるように、ワクチンで防げる病気はワクチンで防ごう、その思いが何年もかけて通ったのだと思います。
田中さんは長男と同じ年の、笑顔の魅力的な、車椅子のお子さんを抱え、何度も何度も東京へ足を運んでくださっていました。
それが、どれほど、大変なことであったか。
周囲でいろいろ言うひともいたことでしょう。
でも、それらに負けずに、めげずに、
次の生まれてくる子どもたちのために、
親のために、と力を尽くしてくださいました。
そんな努力が実って、認可され、そして定期化されました。
いま、細菌性髄膜炎の子がこんなに日本で少なくなったのは、田中さんたちのお陰です。
細菌性髄膜炎に罹患したお子さんを抱えて、走り回ってくださったからこそ、
その恩恵を私たちは、私たちの子どもたちは、ずっとずっと受けることができます。
以前、田中さんに聞きました。
「患者である子どもたちはとても減ったけれど、いま、困っていることは、なに?」と。
「ヒブによる細菌性髄膜炎にかかる子どもたちは、確かに減った。
減ったから、周りにいなくて、
肺炎球菌を原因とする細菌性髄膜炎に
かかる子はまだいるのに、病気の子を持つ
親同士がつながりにくくなってしまった。
孤立してしまってるんです。」
とお話くださいました。
そのくらい、以前は多かった。
そして、そのくらい、減ったんだ。。。
と、改めて、思いました。
生まれたばかりの赤ちゃんを前に
予防接種って、多いなーと感じることと
思います。
ちょっと年上のお母さん達からは、
「うちの子のときには、そんなのなかったわよ。本当に必要なの?」
なんて、ドキッとするような話を聞いたり。
なかったから、たくさん細菌性髄膜炎で亡くなる子がいた。かかって後遺症を残す子がたくさんいた、んです。
田中さんたちの頑張りのお陰で、
長男の赤ちゃん時代にはなくて、
次男の赤ちゃん時代には一回一万円以上、肺炎球菌とあわせると七万円くらいは
払っていた予防接種が定期化されて、
三男の赤ちゃん時代には
無料で受けられたんです。
本当にありがたいことだと思います。
このたった10年のことだけれど、
この歴史を知らなかったら、
予防接種が多いとか多すぎるとか
思う気持ちもわかります。
だから、自分が、見てきたことを
お伝えしなければ、と思って、
今日のブログを書きました。
掲載されています。
ぜひ、ご一読を。

