本日当院であった、NST特別講演の内容についてご紹介させていただきます。
リハビリテーションと臨床栄養
栄養ケアなくしてリハなし
横浜市立大学付属市民総合医療センター リハビリテーション科
若林 秀隆先生
1.施設別の高齢者低栄養患者の割合
病院よりリハ病棟の方が低栄養患者数多い。
低栄養のまま、リハを行うことは、死にもつながる。
2.リハ栄養とは
・栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行った上で、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うこと。
・スポーツ栄養のリハ版
※生活の中で、最大のパフォーマンスを行えるようにする。
リハカンファに管理栄養士が加わることは大事である。
3.運動によるエネルギー消費量
・エネルギー消費量の目安 メッツ
・運動時の酸素消費量を安静座位時の酸素消費量で割った数値で、運動の強さの指標。
・エネルギー消費量(kcal)=1.05×体重(Kg)×メッツ×時間(h)
4.リハ栄養の考え方
・リハと栄養管理を同時に行うことで、ADL QOLがより改善する可能性があり。
・一方、低栄養の患者に積極的に行うことで逆効果も。
栄養ケアなくしてリハなし
リハにとって栄養はバイタルサイン
※リハによって悪くなる患者をつくらない。
5.リハ栄養管理の目的
①低栄養や不適切な栄養管理下におけるリスクマネージメント
②機能訓練の時間と内容が増加した状況での適切な栄養管理
③筋力・筋肉量・体力向上
6.リハ栄養アセスメントのポイント
・栄養障害を認めるか。何が原因か。
・サルコペニアを認めるか。何が原因か。
・摂食・嚥下障害を認めるか。
・現在の栄養管理は適切か。今後、栄養状態はどうなりそうか。
※①よくなるのか②横ばい③悪くなる この3つのどれか、予後予測を行う。
・機能改善目標のリハを実施できる栄養状態か。
7.MNA-SFの評価
食事量減少、体重減少、歩行能力、ストレス・精神的問題、BMI(下腿周囲長)に関しての評価。点数によって、判断する。
8.ドラッカーの言葉
・成果を生むために既存の知識をいかに適用するかを知るための知識が、マネジメントである。
・「何によって人に憶えられたいか」を自ら問い続ける。