昨日、ボクはお寺に泊まった
大型連休と言うこともあり
田舎に行こうと、ボクは自転車のペダルを踏み出す。
母親には、
「友達の家に泊まってくる」
と、嘘をついて家を出た。
夕方になり、ボクの目的地らしき港町につく。
田舎に行きたかったのは
誰にも知り合いに見つからないだろうと思っていたからだ。
とはいっても、
無計画で飛び出したボクは
一日目にして
困った事態に遭遇した。
所持金2468円。
世の中金だと言う
現実にぶち当たった。
周囲を見渡しても電話なんかはなく、
携帯も見事に「圏外」表示。
困り果てたところにあったのは
そのお寺だった。
住職は快くボクを受け入れ一晩の宿を提供してくれた。
朝、目が覚めると、
住職が経をあげるところで、
ボクも一緒にお参りをした。
住職の奥にいる
仏さんは
薄がいためかどんな顔をしているのかわからず
ただ、ボクは目をつぶっていた。
「さぁ、朝食ができたからこちらへ。」
そう言われ
ボクは、住職の後に着く。
すると住職が足を止めた。
住職の足を止めたのは立派な中庭を一望できる場所だった。
「ここには昔コイが4匹いたんですよ。」
そう言い、庭の池をみた。
「どうしていなくなったんですか?」
そうボクが聞くと、
「山のイタチが食べたんですよ」
と笑いながら答えた。
確かに。
山の生き物にとっては逃げ場のない池は絶好のえさ場だ。
「あ、こちらです。」
ボクがぼんやり庭を眺めていると、住職が朝食のある部屋の方へ案内してくれた。
部屋にはご飯に味噌汁。
そして暖かな酢の物が用意されていた。