幼い頃、極め細やかな砂を手にしたとき
ある何かと同じような感覚を覚えた。
 
それが何であったかときがついた頃
私はもう大人で、
つい先ほど飛び立った飛行機の上にいた。
 
窓から見えた
広大な砂漠の姿というのが
その答えだ。

夕焼けに照らされた砂漠は
寝そべった裸の女性のように安らぎがある。
 
夜、隣で眠る妻を起こさぬよう
枕元にあるオレンジの照明をつけたときに
見えた光景にそっくりだったのだ。

暖かく
それでいてふてぶてしくもあるその姿は
大きな大きな母親で。
 
昼間、灼熱の地獄として
何も与えないその
苦しめる環境も

やさしく笑う瞬間を見せる。
黄金がそこにあるのだと私は感じた。