世界にたった一人だけ
人々の願いをかなえる神様がいたとします。
神様は不幸な人々、
幸せな人々の元に現れ願いを叶えてくれます。
あなたは
そんな神様です。
あなたは
最初に誰の元へ向かいますか?
あなたの家族ですか?
あなたの恋人ですか?
それともあなた自身ですか?
私が神様なら
誰の願いも聞き入れません。
なぜなら
簡単に願いが叶うのなら
人は駄目になります。
だから神様はいないのです。
存在しているのに存在していないもの
それが神様。
あるところに一人の青年がいました。
彼は毎日毎日願いを叶える神様の元にやってきてお祈りするのです。
「神様。おねげえだ。おっかーを助けてくんろ。病気でいつも苦しそうなんだ。」
そうやって社の前でお祈りした後、
仕事と病気の母親の面倒を一生懸命診ていました。
ですが、その看病も虚しく母親は他界してしまったのです。
青年はまた、願いをかなえる神様の社にやってきました。
「神様、神様。」
青年は泣いています。
「ありがとうございました。」
と、言うのです。
「おっかーの最後を看取ることができましたし、最後は安らぐ顔でした。もう苦しまなくてもいいんですね。」